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そしてある程度、話が終わり解散になった。
しかし、俺は羽川を呼び止めた。と言うのも、璃亜からのメールについてじゃ。
仮に間違いメールなら羽川に同じ様なメールが来とるはずじゃしの。
まぁ、結果だけ言うと璃亜からメールは来てないって事とむしろ、璃亜は羽川が幸村の部屋にいるのを知っていたとの事じゃ。
つまり、あのメールは間違いじゃなかったって事ぜよ。
そして羽川になにかあったのかと聞かれたが軽く流して、幸村の部屋を出た。
既に廊下には誰もいないが…万が一があるしの。自分の部屋に1度戻ってから璃亜の部屋に向かった。
―――
―――――
璃亜の部屋の前に着き、軽くノックするが中から返事はない。寝てるらしいから当たり前って言ったらそうなんじゃが。
ゆっくりとドアノブを回すと案の定、ドアは開いた。相変わらず、不用心なヤツじゃ。
部屋に入ると机に突っ伏して寝ている璃亜の姿が目に入り、ゆっくりと近付く。
…ミサンガ作っとったんか。
璃亜の手にはミサンガが握られており、ゆっくりとそれを抜き取り机に置いた。
そして璃亜を起こさない様にゆっくりと抱き抱えてベッドへ運び、布団を掛けた。
疲れているのか全く目を覚ます気配がない璃亜の頭を撫でていると璃亜の瞼が微かに赤いのに気が付く。
……………。
そうか、だからあんなメール寄越したんか。
「…すまんの。すぐに来てやれんで」
俺は、璃亜なりの精一杯の甘えに応えられんかった事が悔しかった。
しかもタイミング的にあの場面を見ていたとなると随分と酷な事をした。璃亜なりに頼ろうとメールしたのに月城とあんな会話をしとったらそりゃあ、やっぱりいいってなるぜよ。
羽川や幸村は、話し合いをしていて心細かったんじゃろ。それに青学の事で精神的に疲れてたじゃろうしの。
…泣く程、不安じゃったんか。
俺やブンちゃんは徹底してやってたからの。でも璃亜の態度は普段とかわりない様に見えとったから…割り切ってて全然平気なんじゃと思っとったが…
そうでもなかったんじゃな。
なるほど、幸村が早めに話を付けないと璃亜が壊れるって言っとった理由がわかったぜよ。ホント、素直なヤツじゃ。
自分で悪口言えだの言い出したクセに真に受けるじゃなか。
ゆっくりと髪を結っていたヘアゴムを取り、璃亜の手首に通して暫く璃亜の頭を撫でていた。
そしてある程度して部屋の鍵を閉めてを部屋を出た。
もちろん、鍵は閉めて羽川に渡しといたナリ。
(仁王くん、どこに行っていたんです?)
(ん?ちーとばかしな)
(…また月城か?よく我慢出来るな)
(いや、違うぜよ)
(それとヘアゴムは、どうしたんです?)
(ん、秘密ナリ)
(相変わらず、お前は秘密ばっかだな)
(…ピヨッ)
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