(4/4)


そして着いたのは、サボり場としてお馴染みの屋上だった。

しかもそこには、いつぞやに会った眼鏡の人と見たことがない肌が黒くスキンヘッドの人がいた。

さすがに知らない人となると身を構える訳で…軽く顔が強張る。しかもスキンヘッドとかなんかこえーし。



「皆さん遅かったですね。おや?」

「…ん、誰だ?」

「楠木先輩っス!今日は、一緒にご飯食べる事になったから連れて来たんスよ!」

「あ、いや…お構い無く。あたしは、あっちで食べるんで」

「ちょ、なんでだよぃ!?お前は、俺の隣だぜぃ」



スタスタとその場から離れようと歩き出したが急に赤髪に腕を引かれたせいでバランスを崩して思いっきりカバンでスキンヘッドの頭をぶん殴ってしまった。

ちょ、ちょー!?

さすがに悪いと言うか…心配する訳で赤髪の手を振り払いスキンヘッドの元へ駆け寄る。



「ご、ごめんなさい。大丈夫?うわ、おでこ赤くなってるし。ごめんなさい!」

「お、おう…別に大したことねぇよ」

「なんでジャッカルには、優しいんだよぃ!?」

「いいから赤髪、お前も謝れ!」

「仁王くん、彼女は確か仁王くんのクラスの楠木さんでしたよね。何故彼女が?」

「あぁ、席が隣でな。まぁ、色々あったんじゃよ」



やだ、このスキンヘッドかっこいい。てか、なんかイケメン。絶対、性格いいよこの人。

大丈夫だから。と少し焦ったようにあたしを落ち着かせるスキンヘッドに渋々おでこから手を離す。

てか、元はといえば赤髪が急に腕を引っ張ったりするのが悪い。



「楠木先輩、近いッス!それと俺の隣に座って下さいっ!」

「おい、紹介もなしなのかよ。ったく…俺は、ジャッカル桑原だ。お前は?」

「えー、楠木璃亜です。ジャッカルくん?桑原くん?」

「あぁ、ジャッカルで構わないぜ」

「おい、ジャッカル!なに璃亜に馴れ馴れしくしてるんだよぃ!」



ギャーギャーと赤髪が騒いでいるなかで眼鏡をクイッと直しながらあたしに手を差し出す、男が1人。

えーと、確か…切原くんといる時に1回会ったことあったよね?名前は、えーと…



「私は、柳生比呂士です。会うのは二度目ですね。どうやら、仁王くんや丸井くんがお世話になっているようですね」

「はい、とても迷惑掛けられてます」

「なるほど、確かに珍しいタイプの女性ですね」

「じゃろ?全く可愛くないき」



銀髪は、黙ってろ。と思いながらもとりあえず差し出された手を握るとよろしくお願いします。と堅苦しい事を言われ、さすがに嫌ですとも言えずこちらこそと苦笑いで返した。





(楠木先輩のお弁当美味そうッス!)
(このからあげもらうぜぃ!)
(おい、取るな!ドロボー!)
(なら俺は、これを貰うかの)
(じゃあ俺は、こっちッス!)
(おい、お前等なに勝手に取ってんだ!)
(悪いな…これやるから許してやってくれ)
(私のおかずも分けましょう)
(ジャッカルくん、柳生くん…)
(なら璃亜の弁当もーらい!)
(なんでだよ!ちょ、返せ!)


prev|next

[戻る]