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あたしの言葉にリョーマくんは、一瞬目を見開くと呆れた様に笑った。
「…竜崎達が言ってた通り過ぎて逆にビックリッスよ。ホントにバカが付く程真っ直ぐッスね」
「ちょ、桜乃ちゃん達に一体なにを言われたんだ。てか、早く練習に戻りたまえ」
「言われなくても」
「後、これからあたしに構わないでね。話し掛けたりもしない事。わかった?」
「…了解ッス」
「よし、いい子だ!この件が無事に終わったらジュース奢ってあげよう!」
「はいはい。じゃあ俺戻るんで」
そう言いながら軽く笑うとリョーマくんは、コートに戻って行った。
よし、頑張ろう!
大丈夫だ!ちょっと居心地が悪いだけで問題ない!
そう自分に言い聞かせて、ちゃっちゃとドリンクを作ってタオルと一緒にコートへ運んだ。
そして相変わらず適当に駄弁りながら打ち合いをしている青学の人達に呆れつつ、一応ドリンクとタオルを持って来た事を伝えた。
相変わらず、返事はないが聞こえてない事はないので問題はない。
…それにしても暑いな。
ベンチから離れた木陰にいるんだけど、どうにもこうにも暑い。
まぁ、それはみんな同じだろうから文句は言えないんだけど。
そしてボーッとつまらない練習を見ているとバンダナ野郎とツンツンの子が何故か仲良くスッ転んだ。
まぁ、多分上の空で適当に打ち合いしてたからだと思うけど。しかも、他のコートの人達はそれに気付きもしてないみたいで駄弁りながらまだ打ち合いをしている。
これは、酷い。
ちなみにそのバンダナ野郎とツンツンと打っていたのはリョーマくんと糸目の人だ。
リョーマくんと糸目の人に連れられてベンチで手当てを受けている2人だが…
どうやら、まともに手当てが出来ないらしい。いや、意味がわからない。
仮にもスポーツマンだろ?怪我の手当てくらい出来るだろ!いや、出来てねぇけど!
てか、洗えよ!まずは、傷口洗えよ!バカなのか!?なんでいきなり消毒!?
あぁ!もう!ホントにっ!
そしてさすがに見ていられなくなったあたしは木陰から飛び出し、自分のフェイスタオルを水道でびしょびしょに濡らして急いでベンチに向かった。
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