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うん、元気になった赤髪は今まで話し掛けてなかった分を補うように前以上にやかましかった。それは、もうかなりウザいです。
お昼になり早苗がゆっくりとあたしの席に来ると優しく笑う。
「ふふっ…前より仲良くなれたみたいで、よかったわね」
「え、やだ…やめてよ」
「なんでだよぃ!?」
「プピーナ」
「まぁいいわ。あのね、柳くんと委員会の事で話したい事があるからお昼一緒に食べたいんだけどいい?」
お、おぉ!?なんか前から柳くんと仲が良いとは、思ってたけど最近は前以上に仲が良い様です。
なんか色々と柳くんがトラウマになりつつあるあたしからしたらちょっとアレなんですが…根は悪い人じゃないって早苗が言ってたし、まぁ…いいんだけど。
てか、普通にあたし邪魔じゃね?柳くんと委員会の話するのにあたしいる意味なくね?あれ?
「なら俺等と食べようぜぃ!」
「うむ…参謀としてもその方が話しやすいじゃろ」
「いや、いいです。一人で食べます。やめてください」
「い、いや…別に璃亜いてもいいって柳くん言ってたから!」
「ん、いいよ。二人で食べなって!あたしは、適当に食べるから。ね?」
まぁ、柳くんならあたしがいても文句は言わないだろうが…うん、でもやっぱり邪魔になりそうだしねー。
それにデータを録られるの怖いのでやめておきますね。
うーん…と渋っている早苗の背中を押して柳くんに預けて手を振れば、ごめんね?と謝りながらも柳くんと教室を出て行った。
「なんかあの二人お似合いッスね!」
「うわっ!いつの間にいたし!」
「今さっきっス!今日は、楠木先輩も一緒にご飯食べるんスよね?」
「はい?」
「え、だって仁王先輩と丸井先輩が言ってたったスよ?」
チラリと銀髪と赤髪を見ると早く行こうぜと言わんばかりにあたしを見ている。
おい、なに勝手に話を進めてる。しかも何故にそれを切原くんに言うんだよ。
そしてその切原くんは、頭を傾げながら早く行きましょ?なんてあたしの腕を掴んでいる。
「楠木先輩ってお弁当なんスよね?自分で作ってるんスか?」
「あーあーあー…これあたし死ぬじゃん」
「なにぶつくさ言っとるんじゃ?はよーしんしゃい」
「ジャッカルと柳生が待ってるから早く行こうぜぃ!」
「…もういいや。諦めよう」
カバンを持つとじゃあ行きますよー!とテンションが高い切原くんに腕を引かれてどこかに連れていかれる。
ちなみに銀髪と赤髪は、あたし達の先を歩いているらしい。周りからキャーキャーと悲鳴と熱い視線を感じつつ引きずられる様にあたしも歩を進めた。
あーもう…やだ。
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