みんながいるから頑張れる (1/5)
…なんでや、ちょっと1年生と場の空気を和らげてただけなのに。
早苗と幸村くんに軽く説教をされたあたしは、テンションだだ下がりである。
「ハッ、本当に怒られてりゃ世話ねぇな」
「跡部くんうるさい。まぁ、軽い説明も終わったし?あたしの考えを聞いてもらおう」
「まぁ、どうせロクでもねぇ考えだろうが聞いてやる」
「マジで跡部くんうるせーし」
そしてあたしの考えは、こうだ。
月城さんは、あたしをこの合宿から追い出したい。そして、今あたしと一緒にいる立海や氷帝のメンバーに好かれたいと思ってる。
つまり、あたしがいるから立海や氷帝が自分に落ちないんだと思ってるんだと思う。
だから、逆にみんながあたしを避ける作戦!と言うか、もうひーちゃんと謙也が若干やってるんだけどね。
「そんなの意味あんのか?」
「あるでしょ。簡単に言えば、月城さんはあたしが誰と仲良くしてたって気に食わないんだから」
「俺、嫌ッス!璃亜先輩を避けるとか出来ないッス!」
「ねぇ、天龍寺さんはどう思う?これで立海があたしから離れたら月城さん、バカみたいに喜んでボロ出すと思わない?」
「え、あっ…うん。それはそうかも知れないけど…楠木さんが危ないと思うし…私も反対だよ?」
「大丈夫大丈夫!さすがに全員じゃないから。てか、いきなり全員が寝返ったら変だし」
それでも、みんなは凄い勢いで反対してくる。いやね、あたしだって嫌だよ?みんなと楽しく合宿したいよ。
合宿の初日みたいにみんなでワイワイしながらやりたいじゃん。だから、その為ならあたしは頑張るよ。
それにひーちゃんと謙也に約束したから。あたしがどうにかするって。だから、このくらい体を張らせて欲しい。
「絶対に無理はしない。だから、お願いします。あたしの作戦に乗ってください」
「…具体的にどうすんじゃ?」
「あ、うん。じゃあとりあえず説明するね」
しかし、なかなか反応がなくて…頭を下げたまま不安になっていると、不意に仁王が口を開いた。でも怒っているのか、あたしを見るとすぐに目を反らした。
そしてあたしの割り当てと言うか、あたしを避ける人と今まで通りの人を説明していく。
ちなみに天龍寺さんに助言を貰いながら決めた。もちろん、トリップしてきたからこその意見で。
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