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もう席は、面倒臭いから適当ですよ。いや、適当なはずなのに3バカと一緒とか最悪だけどね!

ちなみにいつもこの時間帯は、混んでるのでワガママは言わない。

そして相変わらず、騒がしい3バカと跡部くんと忍足と食事をしていたんだけれど。

騒がしい3バカのせいで盛大に手が汚れた。すぐに跡部くんが手拭きを持ってくるよう使用人に言ってくれたが、さすがに悪いので手っ取り早くトイレで洗ってくると食堂を出た。


そして綺麗さっぱり手を洗い終えて、食堂に戻ろうとトイレから出るとそこには月城さんが待ってましたと言わんばかりに壁に寄り掛かりながらあたしを見ていた。

うん、関わらない様にしよう。面倒臭いし、まだご飯の途中だし。

そしてそんな月城さんを無視して食堂に戻ろうとしたら、腕を掴まれて振り返るとそこには、ニヤリと笑う月城さん。

その瞬間、あたしは目を見開く。月城さんの手には、剃刀が握られていたのだ。形からしてお風呂場から持って来たんだろう。

咄嗟に月城さんの腕を振り払い、攻撃に備えていると月城さんはクスクスと笑い出し、それを自分の腕にあてがった。


そしてなんの躊躇もなく自分の体に剃刀を這わせた。それも何回もだ。いきなりの月城さんの行動に唖然としていたら、血塗れの月城さんが剃刀を放り投げた。

あ、これは…不味い。
そこであたしは、今の状況がわかったが時すでに遅し。


「…キャーーッ!」


お決まりと言わんばかりの月城さんの悲鳴が合宿所内に響き渡ったのであった。

クソッ…やられた。

これは、不味い。さすがに目撃者がいなくてもこれは、完全にあたしがやったと思われる。普通に考えて自分で自分の体を剃刀で切り刻む奴がいるかよ。

いや、目の前で悲劇のヒロインに成りきっているこいつは、それをやったわけだか。


そして案の定、食堂からゾロゾロと出てくるテニス部の皆さん。そして血塗れの月城さんを見るなり目を見開いて騒ぎ出す。



「ま、真梨亜ッ…!大丈夫かっ!?」

「……う、うぅっ…」

「またテメェかぁッ!」

「…………ッ!」

「…璃亜さん、大丈夫ですか」

「わ、わかちゃん…」



さすがにあたしも動揺してたみたいで、またしてもあたしに殴り掛かってきたバンダナ野郎の拳を避けるどころかただその場に立ち尽くしてて、モロに食らいそうになった。

だけど、わかちゃんが目の前でバンダナ野郎の拳を受け流してすぐにあたしを背中に隠してくれた。

それがなんでか凄く嬉しくてギュッとわかちゃんの背中を掴むと大丈夫ですよと声を掛けてくれた。


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