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そんな中、なにを思ったのか今まで隣で静かに黙っていた璃亜が人混みを押し退けて今にも泣き出しそうな天龍寺の元に歩み寄る。

突然の璃亜の行動に誰しもが驚き、目を丸めた。



「あんた、やってないのね?」

「……はっ?」

「やってないんじゃないの?」

「や、やってないわよ…」

「ふーん、そっか。でさ、みんなは天龍寺さんが月城さんを突き落としたところ見たの?」



璃亜の言葉に今にも泣き出しそうだった天龍寺が目を見開くが、天龍寺だけじゃなく周りの誰しもが驚きを隠せず、ザワザワとうるさくなる。

しかし、その璃亜の問いに答える者がいなく、ゆっくりと璃亜がため息を吐く。



「ふーん、誰も見てない訳だ。なのに決め付けるのは良くないんじゃない?」

「なっ…お前は、真梨亜先輩が嘘付いてるとでも言うのか」

「さぁ?でもどっちかが嘘か勘違いしてるかもね。突き落としたんじゃなくてたまたまぶつかったとか」

「違うっ!月城さんが勝手にっ…」

「はいはい、天龍寺さんは黙ってようねー。ねぇ、月城さん?本当に突き落とされたの?」

「……………」

「ちょっとーやめてくれない?真梨亜が嘘付く訳ないじゃん!被害者は真梨亜なのにさっ!」



そして今度は、月城に璃亜が問い掛けるが月城が答える前に菊丸が月城を守るように前に立つ。

と言うか、璃亜はなんで自分から面倒事に突っ込んで行ったんじゃ?いつもならうわー面倒くさーとか言うはずなのに。

そして菊丸の言葉を聞くなり、眉間にシワを寄せるとゆっくりと跡部の元に向かう。



「合宿どうするの?こんな状態でも続けるの?」

「…チッ、仕方ねぇな。合宿は」

「ま、待って!私は大丈夫だから…合宿は最後までやろう?私がドジで仕事が出来ないせいだから…」

「しかし、真梨亜…お前に無理はさせたくないんだが」

「国光、大丈夫だよ?ねぇ、景吾…私みんなの為に頑張りたいの…だから合宿は中止にしないで」



結局、月城がどうしても合宿を続けたいと言い出してそれを青学の連中が後押しした結果…跡部が折れた。

それに璃亜が不満そうな顔をするが、すぐに跡部から離れると話が終わったらいいよねー?と天龍寺の腕を掴むとスタスタと人混みを押し退けて自分の部屋へと入ってしまった。

それを見ていた青学の連中が璃亜を批難するがそんなのを無視してその場にいた立海メンバーは、璃亜と天龍寺の後を追った。





(跡部、真梨亜は当分青学担当にしてもらう)
(…別に構わないぜ)
(竜崎さん達が掛け持ちとかすればいいんじゃ?)
(…おい、出来そうか?)
(別に大丈夫ですけど…)
(私も掛け持ちで大丈夫よ)
(わかった、担当は明日の朝知らせる)
(てか、楠木さんだっけー?)
(…あの人なんなんッスか?)
(体調悪いとかで掛け持ちなしだったよね)
(あの調子なら出来るんじゃねぇのかよ)

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