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暫く暴れていたがさすがに疲れたので大人しくしてるとあたしの部屋に着いた。



「ほれ、さっさとシャワー浴びて来んしゃい」

「いや、入るけど…なんであんたはソファに座ってんの?」

「いいから早く行きんしゃい。なんじゃ?一緒に入って欲しいなら素直に言っ…ぶふっ!?」



とりあえず、ここまで運んで貰ったのは不本意だが感謝してる。だけど、やっぱりこいつはダメだ。

ソファに座っている仁王に近くにあったクッションを投げ付けて備え付けのシャワールームへと向かった。

本当なら温泉でのほほんと再度癒されたかったが時間が時間なので我慢しよう。しかも地味に体の傷が痛いし、さっさと出よう。

そしてきったないルームウェアを水に漬けてからシャワールームを出た。



「随分早かったのぅ。ほれ、こっち来んしゃい」

「…なんでまだいるし。部屋戻れよ」

「今日はお前さんが寝るまで見張っとるけん。ほれ、足出しんしゃい」

「おい、今サラッと恐ろしい事言っただろ。てか、別に平気だし」

「お前さんは、本当に…」

「え、ちょ、うわっ…!?」

「いい加減にしんしゃい」



そして何故かあたしに寄って来た仁王に今流行りの壁ドンなるものをされている訳だが。

いつもならなにしてんだ!って言うところなんだけど、なんか仁王の顔が余りにも真剣でなにも言えなくなる。

と言うか、なんか本気で怒ってるっぽい。



「…何が平気なんじゃ?崖から突き落とされて、そんな身体中傷だらけで」

「だ、だから…大した事ないって言ってんじゃん。みんな大袈裟なんだよ」

「お前さん…自分の顔見た方がいいんじゃなか?今にも倒れそうなくらい顔色悪いぜよ」

「…眠いだけだし」

「嘘を言うんじゃなか。あんな軽い感じで説明しとったが、お前さん本当はショックだったんじゃろ」



……別に平気だし。
立海テニス部のファンクラブのお陰でそんなの慣れたし。崖から突き落とされた時はビックリしたけど、こうして生きてる。

ショックなんて受けてない。

理解は出来ないけど、あたしは天龍寺さんに嫌われてる。だから、崖から突き落とされた。それだけだし。



「…無理するんじゃないぜよ」

「無理なんてしてない」

「…ハァ、本当に譲らん奴じゃな。とりあえず、手当てするぜよ」



……なんかムカつく。
だけど、なんかもう抵抗する気にもなれなくて仁王に手を引かれてベッドに座った。


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