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跡部の放送は、至ってシンプルだった。緊急事態の為、ロビーに集まれというもの。既に寝ている者がいるなら同室の者が来ればいいと加えた。


そして暫くすると文句を垂れながらもゾロゾロと他の学校のメンバーがロビーに集まって来る。そして最後に跡部が戻って来て、軽く説明をした。


しかし璃亜を知ってる者は、いなかった。最後に目撃したのは、羽川達でお風呂場という事だった。



「跡部くーん。あんまり関係ないとは思うんだけど、亜久津もいないんだよね」

「…アーン?亜久津が?」

「で、でも!すぐに戻るって言ってたから携帯も置いていってるです!」

「まぁ、亜久津だしね。それに璃亜ちゃんとは全然関わってなかったから関係ないと思うけど、一応ね」



跡部は、暫く考える様な素振りを見せると携帯を取り出して何処かに連絡をし始める。

と言うのも、この合宿所にいる大人は跡部宅の使用人のみで先生方は、近くのホテルに宿泊しているのですぐに呼ぶ事も出来ない。

つまり、かなりの大事にでもならない限りは跡部の使用人がどうにかするという事だ。と言うか、跡部がどうにかするという事になる。


そして跡部は、今いる使用人をその場に呼び出すと璃亜を探す様に指示をだし始める。

しかしその瞬間、ずっとしょんぼりとしていた芥川が声をあらげた。



「璃亜ちゃんだCー!!!」

「は?ジローなに言って…って亜久津!?」

「マジだ!あれ璃亜先輩ッスよ!」

「ちょっと亜久津、どういう事?」

「え、ちょっと!なんで璃亜はこんなにボロボロなのよ!?」

「あ゙ぁ?うるせェ。こいつが起きんだろぉが」



そこに現れたのは、璃亜をおぶった亜久津だった。そんな亜久津に芥川が声をあげて走って行くとぴょんぴょんと跳び跳ねながらおぶられている璃亜を見ると嬉しそうに笑った。

そして芥川に続き、立海メンバーも駆け付けるが亜久津にうるせェと言われて璃亜が寝ている事に気付くと静かになる。

そして璃亜が見付かったという事で詳しい事情は明日話すということになりロビーに集まっていた者は、部屋へと戻っていった。

しかし、その言葉に納得出来ていないのか比嘉・不動峰・緑山のメンバーはその場に残っていて、跡部が溜め息を付きながらも付いて来いと言った。





(亜久津、テメェも付いて来い)
(うるせェ)
(ねぇ、璃亜は怪我してるの?
(あぁ?らしいな)
(全く、なにしとんじゃこやつは)
(とりあえず、跡部の部屋に行くよ)
(てか、あいつは?氷帝のマネージャー)
(フンッ、どうせ他の奴等のところだろ)
(なに日吉、お前あいつ嫌いなの?)
(そういうお前こそ今よかったって顔してたろ)
(だってベタベタうぜーんだもん)
(フッ、それは同感だ)
(赤也は、なにかとなつかれてたしな)
(先輩達が押し付けたんでしょ!)

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