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そして歩く事、数時間。

さすがにちょっと休もうよと声を掛けるが別に平気だと言い張りスタスタと歩いて行く仁に呆れつつもおぶってもらっているので強く言えず黙る。

でもさ、いくら体力があろうとおんぶしたまま数時間歩くって結構辛いと思うんだけど。



「なんだ、足が痛むのか」

「いや、足は大丈夫だけど」

「もう少しで管理小屋があるからそこまで我慢しろ」

「そんなのあるの!?てか、なんでそんなの知ってるし」

「毎日、ここら辺を歩ってたからに決まってんだろ。後は、勘だ」

「ちょ、まさかの勘かい」



どうやら、仁が言うにはこの近くに管理小屋があるらしい。あたしからしたら辺りは真っ暗だし、なにがなんだかよくわからないけど。

そして暫くそのまま歩いているとぼんやりだが確かになんか小屋らしきものが見えてくる。

…マジかよ、仁の勘やべぇ。


そして管理小屋に着いて、あたしをゆっくりと下ろすとなにかを探すように部屋の奥へと歩いて行く仁にあたしも付いて行く。



「なんかあったの?」

「あぁ?その逆だ。内線でもあるかと思ったがねぇみてぇだな」

「あー、跡部くんの事だから電話置くくらいなら使用人1人1人に携帯持たせてそうだしね」



てか、よくそんな事思い付いたね。あたしなんて普通にこの管理小屋で明日まで待機出来る!とかすげぇ呑気な事考えてたし。

と言うか、さすがに眠くなって来たんですよ。軽いとは言え、一応マネージャーとして仕事したからね。

しかもお風呂から出たのが10時くらいだったし、もうかなりいい時間だと思うんだよね。



「とりあえず、朝までここで待機しようよ。さすがに仁も疲れたでしょ?」

「あぁ?まさか寝みぃのか」

「そ、そんな事ないけど…」

「…チッ。詳しくは知らねぇが、確かテメェは体が弱いんだったな。ならとっとと戻るぞ」

「いやいや、真っ暗な上に道わからないでしょ。そ、それにちょっと眠いです…はい」

「うるせェ。いいから乗れ、担ぐぞ」

「そのあたしの意見を聞かないのとすぐ担ごうとするのどうにかなりませんかね?」



しかし、担がれるのは嫌なのでまた仕方なく仁の背中に乗る訳です。

ちなみに仁曰く、この管理小屋の近くをよく歩いてたらしいので道はわかるらしい。いや、真っ暗だから危なくない?とか思ったけど勘でこの管理小屋まで辿り着いたのでもう突っ込むのをやめた。


て言うか、そんなに合宿所から抜け出してこの森で散歩してたのかい!さすがヤンキー!


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