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そして午後の練習である!
ちなみにドリンクとタオルを準備し終わったあたしは暇です。
いや、練習を見てるのは楽しいんだけどさ。やっぱり、体を動かしたくなると言うか…見てるとあたしもラケット握りたいなぁ〜とか思っちゃう訳で。
「ねぇ、木手くん!」
「ダメですよ」
「まだなにも言ってないんだけど!?」
「どうせ、テニスがしたいとかどっか行きたいとか言い出すんでしょう?」
「何故、わかったし」
「先程から退屈そうな顔をしていましたからね。でもダメですよ。貴女は、そこで大人しくしていなさい」
ビシッとラケットであたしの方を指してブリッジを押さえながらゆっくり背を向ける。
く、くそぅ…。
確かに、大人しくしてなきゃいけないのはわかるんだけどさぁ。でもさぁ、ずっと練習見てるだけってのも辛い訳よ?
ドリンクとタオルの補充するって言っても足りてるからそこで大人しくしてろって言われるしさ。もはや、お手伝いでもなんでもないというね!
「木手くーん!暇だよー!せめて、審判くらいやらせてよー!お手伝いさせてよー」
「ハァ…貴女は全く。では、このメニューが終わったら試合をするので審判を頼みます」
「やった!木手くんやっさしー!」
「これ以上、貴女にうるさくされても困りますからね」
「木手くんってマジでツンデレだよね」
「…なっ!?」
いや、マジで典型的なツンデレだよね。あたしの言葉に言葉を失っている木手くんにケラケラと笑っている平古場くんと甲斐くん。
しかしすぐに木手くんに睨まれて逃げる様にメニューを再開する2人に今度は、あたしが笑い出す。
やっぱり、比嘉は楽しいなぁ。色んな意味で!
「と、とにかく!メニューが終わるまではそこで大人しくしていなさいよ」
「わかってるってー」
「貴女は、信用出来ません」
「サラッと酷い。大丈夫だってばー」
「では、なにかあれば呼びなさいよ」
「おっけーい」
そしてまたあたしに背を向けると木手くんもメニューを再開する。
あれ?よく考えたら、あたし練習の邪魔してた?やべぇ…と思いつつ悪いことをしたなーと反省したあたしは、その後は静かにみんなの練習を見ていた。
ちょいちょい、暇だなーと思ったりもしたけどたまに平古場くんと甲斐くんが口パクで下らない事を言ってくれたりしてなんだかんだでメニューが終わるまで大人しく過ごせた。
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