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カーテンを閉めると微かに羽川の声がして、どうやら璃亜を起こしてる様で泣きそうな声で羽川がごめんと謝ってるのが聞こえた。

暫くして微かに璃亜の声が聞こえた様な気がしたがそのあとすぐにゆっくりとカーテンが開いて羽川が出て来る。

微かに目が赤いのは、気のせいじゃないだろう。



「璃亜は?」

「…もう大丈夫。30分もすれば起きると思うから」

「はぁ…ならよかったぜぃ」

「それで話してくれるのかい?」



璃亜が無事だと言うことに安心していると間髪入れて幸村くんが口を開く。

しかし羽川は、うつ向いたまま黙ってしまう。

そりゃあ、俺だって気になるけどそこまで無理して聞かなくてもいいんじゃないかと俺は思うが…幸村くんは、聞かなくちゃ気が済まない様子だ。



「…私からは、言えない。柳くん…柳くんは、知ってるんでしょ?」

「まぁ、少しだけ調べさせて貰ったからな」

「なら…柳くんに聞いてくれるかな?私が璃亜の体の事を勝手に言うなんて出来ないから」



そう言った羽川の声は、微かに震えていた。そして身を翻すと再びベッドへ行き、璃亜を見守る様に膝をついた。

それを確認したのか柳が本当にいいのか?と確認を取ると少し間があってから羽川がゆっくりと頷いた。



「簡単に言うと楠木は、血液と神経の病気だ。それもかなり珍しい奇病だ」

「それで?」

「運動や生活に制限が掛けられていて、薬を飲まなければまともに起きてられなくなるそうだ」



ぶっちゃけた話、頭が付いていかなかった。定期的に睡魔に襲われたり…血液の循環の関係で体が冷えやすいかったり…直射日光を長時間浴びてはいけないだとか…

よく考えてみたら思い当たるフシが結構あって本当に病気なんだなって思った。

口わりぃし…全然そんな風に見えなかった。



「でもなんで羽川さんが薬を?」

「それはだな…」

「柳くん、いいよ。そこは、私が話すよ。それは、璃亜が一人暮らしだから」



羽川の話だと二人は、県外から中学入試で立海に来たそうだ。理由は、羽川の家庭環境の問題で本当は一人で受けるはずだったのを璃亜が羽川を一人に出来ないからと一緒に受験したそうだ。

ちなみに病気を発症したのは、中学に入ってからすぐだったそうだ。親に帰って来いと言われても頑なに譲らなかった璃亜に璃亜の親が羽川に璃亜の世話をお願いをしたらしい。


だから何かあった時の為にと璃亜の薬を全て持っているんだと話した。

最後に璃亜は、自分の病気の重大さに気付いてないと付け加えて。





(…羽川、すまない)
(ううん、ちゃんと璃亜の事見てなかった私が悪いんだから)
(でもなんで急に?)
(季節の変わり目は体調を崩しやすいの)
(それに心労もあったみたいだな)
(俺やブンちゃんの事ぜよ?)
(…でも助けてくれてありがとう)

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