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そして無理矢理、羽川が璃亜の鼻をつまみやっと薬を飲んだ。



「くぬひゃー大丈夫なんか?」

「わからないけど…とりあえず、部屋に運ばなきゃ…」

「真田、柳、仁王は俺とここに残り、後は璃亜に付いててくれ」

「なら、わんが運ぶやし」

「では、甲斐くんも一緒に行ってください」

「おーわかったさー」



そう指示すると呆然と立ち尽くす跡部にゆっくりと幸村が近付いていく。

そして詳しくは知らんが、比嘉の平古場が璃亜と親しいのかわからんが急いで璃亜を抱き抱える。

が、走り出した瞬間になにやら璃亜が言っているらしく足を止めるとこちらに戻って来た。



「どうしたんです?平古場くん」

「言いたい事があるんだってさー。やー立てるんば?」

「んっ…ありがとう、大丈夫…」

「璃亜っ!早く休まなきゃ…」

「跡部くん、約束通り…あたし負けたからっ…帰るよ。だけどね、跡部くん弱くなったね?」



平古場に支えながら真っ青な顔をしながらニコリと璃亜は、笑った。

それに対して目を見開く跡部。

確かに、前までの跡部ならあんなにラリーを続けずに決める事が出来るはず…なのにあんだけラリーをしてたって事は…



「…後ね、あたしはどんなに威張っててもナルシストでも…テニスの事になると小さな子供みたいに楽しそうな跡部くんが好きだったよ」

「なっ…」

「確かにマネージャーと仲良くするのも大切だけど、今まで跡部くんに付いてきた人達を裏切っちゃダメなんじゃな…ぃ?」

「おっと…無理するなさー。ほれ、もういちゅんどー」

「…待て、今すぐ医者を呼ぶ。だから部屋に連れて行くんじゃねぇ!」



さすがに薬を飲んだといってもすぐに効く訳もなく意識が朦朧としているのか、平古場にグラリと寄り掛かる璃亜に跡部が携帯を樺地から受け取るとどこかに連絡をする。

そして通話を終わらせるとゆっくりと璃亜と平古場の元に歩み寄る。

そんな跡部に平古場が璃亜を守るように抱き寄せるとゆっくりと跡部が頭を下げた。



「…璃亜、悪かったな。まさにお前の言う通りだ。…少し頭を冷やしてくる」

「おい、跡部」

「璃亜が帰るならお前等も帰るってんだろ?俺様にお前等を止める権利はねぇよ。好きにしな」



そう言うと跡部は足早にコートから去って行った。

それと同時に跡部に指示された使いの者が来て、平古場が璃亜を抱き抱えながらそいつに案内されて行くのを赤也達がついて行った。





(幸村、どうするんじゃ)
(もちろん、跡部を追うよ)
(うむ、1発気合いを入れてやろう!)
(氷帝の奴等はどうする)
(勝手にすればいいんじゃない)
(向日達は楠木の元へ行った様だが)
(あの3人なら大丈夫だからいいよ)
(では、私も行かせてもらいますよ)
(好きにするといい)

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