×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

(2/4)


そして璃亜を止めようと幸村がゆっくりとコートに向かう。



「幸村くん…ごめん。邪魔しないでくれるかな」

「璃亜…」

「大丈夫…大丈夫だから。お願い」



汗だくでニコリと笑う璃亜に幸村は、そのままなにも言えずにゆっくりと戻って来る。

どう考えても璃亜が跡部から1ゲームを取れるとは思えない。

それに木手が言うように本当に璃亜の体調が悪いならすぐに止めなくちゃならないんじゃが…



「それで璃亜ちゃん、これに負けたらここからいなくなるって言ってたC…」

「芥川さん、なんですかそれ?!」

「璃亜ちゃんが青学のマネージャーと天龍寺さんの事を指摘したら…跡部が」

「ちなみになんて言ったんだよい」

「マネージャーといちゃつきたいならこんな合宿なんかやめればって…遊びに来てんじゃねぇんだよって…」

「ふっ、楠木らしいな…」



そして芥川の話によると璃亜からずっとサーブでラリーもそこそこ続くが最後は跡部のインサイトにより決められているらしい。

しかも何故か璃亜は、なんの技も使わないでただやみくもにボールを拾っているだけらしい。

そして2ゲーム目の最初のサーブになる訳なんじゃ…なにを思ったのか璃亜がアンダーサーブの構えをした。



「ハァッ…ハァッ…あーあ、最初に跡部くんに使う事になるなんてなぁ…」

「あーん?」

「ハァッ…瞬きしない方がいいよ」

「なにいっ…」

「…ハァッ…だから言ったのに」

「な、なんだとっ!?」



一瞬なにが起こったのかわからなかった。璃亜がアンダーサーブでボールが放ったのは、見えた。

で、気が付いたらボールは跡部の足元を転がっていた。もちろん、フォルトじゃない。

弾む瞬間にボールが現れたインしてるのは確認出来たからじゃ。



「ハァッ…1ポイント取ったけど?」

「くっ…」

「ほら、次行くよ」



見た事がない璃亜のサーブに試合を見ていた奴等がザワザワとしはじめる。

それはそうだ、マネージャーと思ってた奴が跡部と試合をしている上にサービスエースをとったんじゃからの。

しかし璃亜は、3球目からあのサーブを打たなかった。


理由はわからんが何故か璃亜は、それ以降あのサーブを打たず…ついに跡部のマッチポイントになった。


prev|next

[戻る]