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保健室に着くと幸村くんと保健室の先生が何かを話してた。

そして俺に気付いた幸村くんが少しだけ驚いた顔をしたがすぐにすまなそうな顔をした。



「幸村くん、璃亜の様子は?なんで倒れたんだよぃ」

「それがよくわからないんだ。と言うか、この子と知り合いなのかい?」

「うん、席が隣なんだ。で、よくわからないってどういう事なんだよぃ?」

「それがね…」

「…璃亜っ!」



保健室の先生が何かを話そうとした瞬間に勢い良くドアが開いたかと思うと凄い勢いで羽川が入ってきた。

いつも冷静な羽川の取り乱した様子に思わず、ビックリして璃亜のカバンを落としてしまった。

しかしそんな俺等を無視して一直線にベッドで寝ている璃亜を確認すると崩れる様に璃亜に抱き付いた。



「お、おいっ…どうしたんだよぃ」

「……水を下さい」

「…えぇ、わかったわ」

「…すみません」



なんともいえない雰囲気に先生が戸惑いながらもコップに水を入れて持ってくるとゴソゴソとポケットから小さなケースを出した。

そしてコップを受け取るとゆっくりと俺達の方を向くともう大丈夫だからと言う。

つまり、もういいから出て行けと言われてる気分だった。目が冷たい…酷く冷たく感じた。

それを感じ取った先生は、職員室に仕事があるらしくなにかあったら呼びなさいと言うと保健室を出て行ったが、俺と幸村くんは動かなかった。



「…幸村くんと丸井くんも出てくれないかな?」

「それは、なんでだい?」

「お願いだから…璃亜の為だと思って出てくれないかな…」

「彼女に薬を飲ませるんだろ?それをなんで隠す必要があるんだい?」

「そ、それは…」



確かに薬を飲ませるだけなら別に見るくらい問題ないはずだ。なのになんで羽川は、そこまでして見られたくないんだ?

あからさまにバツが悪そうな顔をする羽川に幸村くんは、更に追い討ちを掛けるように問い掛ける。



「彼女、ただの体調不良じゃないよね?」

「…………」

「それに何故、君が薬を持っているんだい?」

「精市、やめてやれ。羽川が、楠木に薬を飲ませてなければならないのは事実。話は、その後でもよかろう」

「…蓮二か。わかった、蓮二がそう言うならここは引いてあげるよ。丸井、行くよ」

「あっ…お、おう」



いつの間にか来ていた柳の言葉にすんなりとベッドから離れてカーテンを閉める幸村くんは、なんとも神妙な顔付きだった。


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