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確かに、誰か通らないかなーとは思ってたけどさ…なんでこいつ等やねん!

しかも言葉がよくわからないし。どこの人ですか?



「キミ、具合でも悪いんですか?」

「本当だ。やー顔色悪いやし」

「大丈夫か?」



やべぇ、なんだこの派手な柄悪集団は…。

とりあえず、こいつ等に関わりたくないって言うのが素直な気持ちだったので大丈夫と言って、勢い良く立ち上がった。

が、失敗。

またしても激しく視界が揺れて、平衡感覚を失う。



「危ない!」

「………っ」

「さすが永四郎やさ」

「はーやー、まともに立てないんか?」

「そうみたいですね。キミ、大丈夫ですか?」



うわぁ…頭が気持ち悪い。
眉間に皺を寄せながらも辛うじて目を開くと、目の前にはグラサン(眼鏡に見えなかった)のリーゼントがいた。

どうやら、あたしが倒れそうになったのを助けてくれたらしい。

見た目が最悪だが、実は比嘉はいいやつなのかもしれない。



「…だ、大丈夫。落ち着けば歩けるから」

「つまり落ち着かなければ歩けないという事ですね」

「どうするんどー?永四郎」

「仕方ありませんね。部屋まで運びましょう。さすがにこのまま放っておけませんし」

「いや、マジで平気だから」

「ほら、平古場くんジャージ貸しなさいよ」



いや、確かに寒いけども…
へーいと金髪の人がジャージを投げるとそれをあたしに着させるリーゼント。

どうやら、拒否権はない様だ。

大分、目眩は落ち着いたが今立ち上がったもまともに歩けないだろう。

でもこんな名前も知らない人達に助けられるのもなんだか嫌である。



「キミ、名前は?」

「…楠木璃亜」

「甲斐くん、案内してください」

「わかってるさー。すぐこの先みたいだぜ」

「ほー、立海のマネージャーかや」



そしてなんの躊躇いもなくあたしを抱き抱えるリーゼントに少しだけ驚く。

いや、確かに運びましょうとは言ってたけどさ。肩貸してくれる程度かと思ってたし。

しかし、動こうとしたらリーゼントに睨まれたので大人しくしている事にした。



「部屋に入りますが構いませんね?」

「…あーいいよ」

「ではベッドまで運びましょう」

「いや、マジですんません。ありがと」

「いや、構いませんよ」

「で、ついでにお願いなんだけど…この事は誰にも言わないくれる?」



とりあえず、ベッドに座りながら手を合わせる様にしてそうお願いをした。


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