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はぁ…結局、赤髪はあたしを勝手に名前呼びしてるし。

まぁ、もういいけど。勝手にしてくれ…あ、すでに好き勝手されてたわ。


うーん…それにしても今日は、体調が優れないなぁ。薬飲んだんだけどなぁ…。

今日は、帰ろうかなぁと考えながらふらふらと階段を降りていると前を見ていなかった為に誰かにぶつかり、ふらふらとしていたせいで階段から足を踏み外した。


「…っ!」


あーホントついてないなぁ。とか思いながらも声を出す元気もなかったあたしは、落ちた時の衝撃に構えて目を固く瞑った。

しかしなんの痛みもないどころかなんか変な浮遊感に襲われて、ゆっくりと目を開ける。



「君、大丈夫かい?すまない」

「え、あ…こっちこそすみません」

「むっ!顔色が悪いみたいだが、具合でも悪いのか?」

「本当だ。君、大丈夫かい?」

「あー大丈夫です。すいませんした…」



なんだかすげぇ綺麗な顔をした青髪の人があたしを支えてくれたらしく、階段から落ちずに済んだらしい。

そして傍らには怖そうな、厳しそうな顔をした人が腕を組ながらあたしを見つめる。

うわ、すっごい眼力。

でもとりあえず、大丈夫ですと答えてもう1度謝ってからまた階段を降りていく。


しかしすぐに足に力が入らなくなり壁に寄り掛かりズルズルと座り込んでしまった。


あぁ…これまずいなぁ…と思った時には、目の前が真っ暗で遠くで誰かの声が聞こえた気がした。



―――
―――――
―――――――


*****

真田が珍しく俺等の教室に来たかと思ったら、柳に何かを話すと柳がゆっくりとこっちに向かって来て璃亜のカバンに手を伸ばした。


「ちょ、ちょ、ちょ…何してんだよ?これ璃亜のだぜぃ?」

「楠木が倒れたらしい。それで早退させるのでカバンをと弦一郎がな」

「なっ…倒れたって、なんでだよぃ!てか、なんで真田が」

「たまたま居合わせたそうだ。羽川は、今職員室に行ってていないから仕方ないだろう」

「な、なら俺も行くぜ」

「ふむ、ならばカバンを頼む。俺は、羽川が戻って来たら事情を説明しておこう」



コクりと頷き璃亜のカバンを担ぐとずっと寝ていた仁王がゆっくりと起きるとスタスタと教室から出ていく。

なんだかんだで仁王も璃亜が心配なんだと思い、俺も急いで教室から出るが仁王は保健室とは逆の方向に歩いていて、やっぱり仁王は仁王だなって思った。


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