波乱の合同合宿スタート (1/4)
ねっむ…マジでねっむぅ…。
欠伸をしながら携帯を片手にさっさと準備をして、前日に用意しておいた荷物を担いで仁王の部屋まで行きインターフォンを連打した。
そして暫くしてゆっくりとドアが開くと仁王が出て来る。
「待たせたナリ。じゃあ行くかの〜」
「ねぇ、赤也に電話した?」
「してないナリ。どうせ、寝とる」
「うん、出なかったわ。あのひじき頭…あたしがわざわざ電話してやったのに」
「まぁ、赤也じゃし仕方ないぜよ。ほれ、早いところ起こしに行くナリ」
「あぁ…昨日ジャンケンに負けたあたしを恨むぜ」
ひじき頭こと赤也に対する不満をブツブツと言いながら仁王の後を歩く。
実は昨日、謎のジャンケンに負けたあたしは、赤也が遅刻しない様にモーニングコール&迎えに行く事を頼まれたのだ。
が、あたしは赤也ん家を知らないので仁王を巻き込んだ訳です。
で、面倒臭いのを我慢して電話したのだが出ない赤也に朝からイラつきマックスです。
マジでひじき許さん。
そして切原と書かれた表札の家に着くと仁王が手慣れた様子でインターフォンを鳴らして赤也を起こす様に話している。
ちなみにあたしは、そんな仁王を腕を組みながら見ていた。つまりは、激おこである。
「すぐ起こしてくれると」
「てか、起きれる自信ないから親に頼んで置けばいいじゃん!バカかよ」
「いや、一応起こしたらしいから多分、二度寝じゃ」
「…ひじきマジで許さん!」
「そんな朝から怒りなさんな。後でお仕置き手伝ってやるけん」
「なら、とびきり酷いの考えとくわ」
そしてギャーギャーと騒がしい声と共にドタドタと物凄い足音がしたかと思うと赤也が飛び出してきた。
いつにも増して髪がひじきだ。
つまり、本気の寝起きである。
そしてその後ろには、綺麗な女の人が腕を組ながら早く行けよと言わんばかりに赤也の背中を蹴っていた。
いいぞ、もっとやれ!
「おら、人様を待たせといて謝罪もなしか。ちゃんと土下座しろよ」
「ね、姉ちゃんが起こしてくれなかったんじゃん!」
「あ、毎度ごめんね。えと、仁王くんと…仁王くんの彼女さんかな?」
「いえ、ただのマネージャーです。彼女とか勘弁して下さい」
「相変わらず、酷い奴じゃ」
「璃亜先輩!電話すいませんッス…マ、マナーモードになってて…」
「へぇ…モーニングコール頼んどいてマナーモードねぇ…ふーん」
とりあえず、泣きそうな顔で謝る赤也を無視して綺麗な女の人に頭を下げてからスタスタと歩いていくとギャーギャーと騒ぎながら赤也も付いてきた。
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