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そしてなんだかんだ、2人の話を聞いている内に丸井宅に到着した。



「「「ただいまー」」」

「おかえりー」

「なんか変な感じがするぜい…」

「いや、あたしはただいまって言えないし。あ、お邪魔しまーす」

「姉ちゃんこっちこっちー!」
「あ、ふうくんズルいよ〜!」

「あ、待って待って…」



とりあえず、丸井宅に着くなり2人に手を引かれてリビングに連れていかれる。

それにしても丸井が空気である。兄貴、頑張れよ。

そして遅れて丸井がリビングに入ってくるがすぐにキッチンに向かってしまう。



「お前等、ちゃんと手洗えよい!璃亜も一緒に洗面所行ってやってくれい」

「お姉ちゃんこっちだよ!」

「お、おう…」



なんか丸井がお兄ちゃんやってるのに違和感。いや、なんて言うか…学校だと世話の掛かる弟っぽくもないし。

まぁ、切原くんがいるからあんまり気にならないけど…あれでもかなり子供っぽい奴だと思ってたのに!

なんか意外だ。



「ねぇ、お兄ちゃんっていつもあんな感じなの?」

「ん?ブンちゃんのこと〜?」

「ブンちゃんはいつも優しいよ!シュークリームとか買ってきてくれるし!」

「ジャッカルも優しいよ!」

「アハハ。2人は、お兄ちゃんが好きなんだねぇ」

「「うん、大好きー!」」



なんていい兄弟なんだ。

とりあえず、ジャッカルくんを呼び捨てなのは置いといて…なんだかんだでしっかりお兄ちゃんやってるんだなぁ。

まぁ、シュークリームってところが丸井らしいけどな。多分、自分の分も買ってると思うし。


そしてふうくんとふみくんと手を洗ってリビングに戻るとエプロン姿の丸井に吹き出しそうになった。



「適当に飯作るから璃亜は、2人と遊んでやってくれい」

「え、あたしが作るんじゃないの?」

「ふうとふみが璃亜と遊びたそうだから仕方ないだろい」

「え、そうなの?」

「お姉ちゃんのご飯食べたい!」

「ブンちゃんのご飯飽きた!」

「おいぃぃ!?」



何故かキャッキャッと笑いながら実の兄のご飯を飽きたと言い切るふうくんに遂に吹いた。

そしてエプロン姿でふうくんを追いかけ回す丸井に、何故か便乗してキャッキャッとはしゃぐふみくん。

いや、まぁ…なんて仲が良い兄弟なんだ。


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