丸井宅にお邪魔します (1/5)
とりあえず、丸井に仁王達にバレると面倒臭いからって一旦、帰宅した。
まぁ、あいつ等はゲーセンに行ったから大丈夫だとは思うけどさ。
そんな事を思いながら丸井に電話をするとワンコールで電話に出た。
ちょ、お前出るの早すぎだろ。
「"璃亜か?弟たちと迎え行くから○×公園で待ってろい"」
「え、弟くん達も一緒なの?道教えてくれたら行くから家にいろし」
「"ちげぇって!学童保育に迎えに行った帰りだから気にすんな"」
「あーなるほど。じゃあ待ってるわ」
「"フラフラしないでちゃんと待ってろい!"」
とてつもなく失礼なやつだ。
そんなフラフラとかする訳ないじゃないか。
とりあえず、足早にマンションを出て丸井に言われた公園まで向かった。
広くもなく、なんとも地味な公園だ。キョロキョロと公園内を見渡して適当にベンチに座る。
うーん。さすがに日は延びたとはいえ、もうこの時間になると誰もいないか。
まぁ、いたところで別になにがある訳じゃないんだけど。
「璃亜ーっ!」
「うっさい!そんなでかい声で呼ぶな!」
「わりぃわりぃ。じゃあ行こうぜい」
「いやいや、弟くん達の紹介はなしか」
「じゃあとりあえず、名前だけな。こっちが風真(ふうま)でこっちが史矢(ふみや)だぜい」
「「よ、よろしくです」」
「璃亜だよ、よろしくね」
ヤバい、思ったより可愛い。
て言うか、恥ずかしいのかモジモジしてるのが可愛すぎる。
ん〜それにしてもさすがは、兄弟だね。普通に丸井に似てる。つまり、仁王と切原くんが言ってた似てないは性格の事だろう。
そして、じゃあ行くぜ〜いと弟たちの手を引く丸井に黙ってついていく。
「ね、ねぇ…お姉ちゃん手繋いでくれる?」
「え、あたし?別にいいけど…」
「えへへ〜わーい!」
「あぁー!ふみズリィ〜!」
「おぉい!暴れんなよい!」
「俺も姉ちゃんと手繋ぐー!」
「あ、うん。いいよ〜」
ひ、ひえーーー!
か、可愛いよう可愛いよう!
何故かあたしを取り合うように手を握る2人にキュンキュンしっぱなしである。
丸井の弟だからもっと生意気な感じを想像してたのに、全然違ったよ!
「こいつ等、いつもジャッカルとか男ばっかりと遊んでたから嬉しいんだと思うぜい」
「あーなるほど」
「まぁ、適当に遊んでやってくれい」
「おう、任せろ」
「お姉ちゃん聞いて聞いて!今日ねぇ〜」
あぁ、普通にマネージャー業の疲れたとかぶっ飛ぶレベルにふみくんとふうくんが可愛くて、柄にもなくニヤニヤしながら2人の話に耳を傾けた。
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