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そして昼休みになった訳だが。



「なんか羽川さんの機嫌悪くないっスか?」

「多分、ヤキモチぜよ」

「今日は、柳の誕生日だろい?」

「あぁ、なるほどッス…」

「なんつーか、あんな慌てふためく柳初めて見たぜ…」



さっきから隣でコソコソと話している仁王達の会話を聞きながら、早苗と柳くんを見れば…

確かに、柳くんがあたふたしてる。

て言うか、早苗の笑顔が物凄く怖いです。なんて言うか…ごめんなさい。

まぁ、仁王が言うようにファンクラブの子達からアホみたいにプレゼントを貰ってたのが嫌だったんだろう。

それに柳くんは、優しいからいちいち受け答えも丁寧だから余計にだと思う。



「璃亜先輩っ…柳先輩が助けてくれって感じでこっち見てるッスよ…!」

「ん?あぁ〜早苗を敵に回したくないから助けられません、以上」

「…羽川恐るべしじゃな」

「てか、なら切原くんが助けてあげれば?大好きな先輩でしょーよ」

「え、いやっ…まぁ、そうッスけど…」

「よし、赤也行ってこい!」



そして先輩命令だとかなんとか言われて生け贄にされる切原くんに手を合わせつつも、あたしは呑気にお弁当を頬張った。

ちなみに幸村くんと真田くんと柳生くんは、なんか委員会とかなんとかでいない。

と言うか、遅れてくるらしい。



「ヒィッ…!?ごめんなさいッス…!璃亜先輩っ…うわぁぁんっ!」

「うおっ!?な、なんだし」

「羽川さん、マジで怖いッス…。だから嫌だったんスよ…うわぁぁん!」

「え、なに?全然見てなかった。普通に玉子焼きに夢中だったわ」

「いや、赤也が羽川になんかあったんスか〜?って話し掛けたら黒い笑顔でふふっ…なにが?って」

「うはっ、怖過ぎワロタ」



涙目になりながらあたしに抱き付く切原くんを見る限り、マジで怖かったんだろう。

なのに、何故か笑っている主犯の仁王と丸井。こいつら、マジ外道。

そしてジャッカルくんは、とりあえず空気を読んで静かにしている。まぁ、早苗と柳くんの一番近くにいるからだとは思うけど。



「うぅっ〜璃亜先輩っ…」

「いや、まぁ…災難だったのは確かだけどさ〜お弁当食べにくいから離れろ」

「いやッス!璃亜先輩に癒されるッス!」

「意味がわからんし、いいから離れろや」

「なんか璃亜先輩、いい匂いするッス」

「おい、離れろ変態」



スリスリとあたしのお腹に擦り寄る切原くんの頭を引っ叩くが更にギュッと抱き付かれた。

もうなんなんだよ。


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