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そして相変わらず、自習の課題をしている柳生くんだけど、あたしの事を気に掛けて寒くないですか?とか聞いてくれる。

もう柳生くんマジ紳士。



「ところで楠木さんは、仁王くんが苦手なんですか?」

「え、あー…苦手って訳じゃないけど、なんで?」

「いえ、なにかと仁王くに当たりがキツい気がしたので。まぁ、仁王くんが全面的に悪い事がほぼですが」

「そ、そうかな。でも別に嫌いとかじゃないよ?なんて言うのかなー…うーん」

「それはよかったです。仁王くんは、あれでも一応私の大切なパートナーなので」



あーやっぱり柳生くんは、紳士だな。あたしの事も気にしつつパートナーであり友達でもある仁王の心配もする。

うん、さすがだよなぁ。

て言うか、本当に嫌いはな訳じゃないんだよ。何て言うか、仁王は色々と考えが掴めないと思ったら、そうでもなかったり…。

まぁ、一言で言うとよくわからないんだよね。



「でも楠木さんは、仁王くんに気を許しているのかと思っていました」

「え、なんで?」

「素直な気持ちをそのまま伝えられている様な気がしたので。楠木さんは、私や桑原くんには気を使っている様ですし」

「なっ!や、やだ…別に柳生くんやジャッカルくんに気を許してないとかないよ?むしろ、逆だよ逆!」

「それならいいんですが。それに仁王くんも楠木さんの前だと感情が表情に出るもんですから」



お互いに気を許してるのかと思っていました。と眼鏡のブリッジを上げながら、眼鏡でよくわからないけど多分柳生くんは笑った。

ま、まぁ…確かに最初会った時に比べると表情は普通になったかな。最初の時とかマジ無表情だったし、それか怪訝そうな顔してるのかのどっちかだったし。

あ、そう言えばムカつく作り笑顔も酷かったな。あれは、胡散臭ささMAXだった。



「でもあたしよりテニス部の人といる方が表情あると思うけど」

「確かに、テニス部の皆さんといる時は表情は柔らかいですが、楠木さんといる時とはまた違うんですよ」

「そうかな?あたしには、よくわからないけど」

「そうですねぇ。ある意味だと楠木さんの前だと余裕がない感じですかね」

「あの仁王が?ないないない。むしろ、余裕って言うかあたしの事バカにしてるもん」



そんな事ないですよ?と眼鏡のブリッジを直しながら笑う柳生くんに頭を傾げる。

そんなあたしに楠木さんは、ホント不思議な方ですねなんて言うもんだから更に頭を傾げた。


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