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あーもう!すっかり忘れてたけど普通にあの会話聞かれてたんだよね。

うわ、なんか恥ずかしい!

とりあえず、鈴木くんにテニス部レギュラーが覗いていた事がバレないようスルーしたのは、いいんだけど…

部室に小走りで向かっていると後ろから凄い勢いでみんなが走って来てた。



「な、なんで追ってくんの!?」

「いや、なんか逃げられると追いたくなるじゃないか」

「ちょ、幸村くんやめて!その笑顔で追い掛けて来ないで!なんか命の危機を感じる!」

「なら走るのをやめんしゃい。ほれ、体にもよくないぜよ」

「つーか、璃亜普通に足はえーじゃん」

「璃亜先輩待って下さいッスー!」



なんかもう怖いの一言だった。
この時のあたしは、チーターからも逃げられるんじゃないかってくらい速かった。

つまり、部室に無事に逃げ着いたわけだ。いや、結局すぐにみんな来たから全然逃げられてないんだけどね。

でもあのもの凄い勢いで後ろから追い掛けられるという恐怖は、ないのでまだマシである。



「ふふふっ、まさか追い付けないとは思わなかったよ」

「あたし、チーターに成りきったもん」

「しかし相変わらずのバカじゃ」

「うっせ、食い殺すぞ」

「璃亜が俺を襲うらしいぜよ、大胆じゃな」

「もうお前マジ黙れよ」



とりあえず、久し振りと言うか…初めてこんな死ぬ気で走ったあたしは、息が上がっていて部室の椅子に座ったまま真っ白に燃え尽きた。

いや、マジで疲れた。

なんで部活始まる前からこんな疲れなきゃならんのだ。バカか。



「で、あの鈴木って子と仲良くするのよね?」

「てか、どうせ会話聞いてたんでしょ」

「いや、途中から聞いていない。と言うか、こっちも色々とあってだな」

「ふーん。まぁ、暇な日に遊ぼうとか部活終わったら一緒に帰ろうとかなんとか言われたくらいだよ」

「ほぅ…なるほど。あの様な態度でしたのに急に積極的ですね」



あれ、なんか柳生くんの言葉に棘ある様に聞こえたんだけどあたしの勘違いかな?

しかも何故か丸井と切原くんには、絶対ダメって言われるし。いや、なにがダメなんだし。

もうね、全力で走ったせいで疲れて頭回んないぜ!


ちなみに早苗と幸村くんに仮に遊ぶならちゃんと報告する様にと笑顔で言われて、なんか知らないけど自然と頷いてた。

……魔王怖いです、はい。







(璃亜先輩マジで心配ッス!)
(だからなにがだよ)
(それだよい!ホントバカだな!)
(おい、バカとはなんだ)
(自覚する脳がないんじゃな)
(仁王、お前ホント殴るからな)
(これ、暴力はいかんぜよ)
(言葉の暴力もダメだろーが)
(事実を言ったまでじゃ)
(もう、ホントお前ムカつくな)


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