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「なんかあいつムカつくッス」
「あざとい感じね」
「璃亜も満更でもなさそうだな」
「ふふふっ…璃亜は随分と余裕みたいだけど、告白慣れしてるって事でいいのかな?」
「まぁ、そうね。あの子、なんでか男子に好かれやすいから…自覚ないけど」
顔を真っ赤にさせて璃亜と嬉しそうに話している男になんとも言えない気持ちが込み上げてくる。
これは、ダメじゃな。
あの赤也に同意してしまう。
計算なのか、本当に素なのかわからんが…あやつの態度と言うかなんというか…とりあえず好かん。
「まぁ、楠木さんは素敵な女性ですからね。モテるのも納得出来ます」
「だよな。むしろ、普通にいいやつだし」
「だ、だからってよう…なんつーか、面白くねぇっつーか。それにあいつなんか胡散臭くねぇか?」
「俺もブンちゃんと同じ意見じゃ。あの感じ、なんちゅーか…裏がありそうぜよ」
「うむ。なんか引っ掛かるものはあるな」
「ふふふっ、まさか真田まで話に入ってくるとは思わなかった」
どうやら、ここにいる全員があの鈴木に違和感を感じている様子じゃ。
しかし、等の本人である璃亜は全くそんな事はない様で鈴木と相変わらず、楽しそうにお喋りをしとる。
しまいには、携帯を取り出して連絡先を交換しとった。
「ねぇ、蓮二あの鈴木って子のデータないの?」
「そうだな。野球部のエースでそれなりに女子からも人気がありモテるが一度も彼女がいた事はないらしい。成績は、中の上くらいだ」
「ふーん…つまり、璃亜を好きなのは本当って事かな」
「単にヘタレなだけかもしれないッスよ?それかバレないように遊んでるとか」
「なぁ、仁王はあいつの事知らねぇのかよい?」
なんで俺に聞くんじゃ…と思っとったら柳生が女の子にモテるならよく女の子といる仁王くんならなにか聞いているかも知れませんね。なんて結構、酷いことを言われた。
むしろ、最近はいないじゃろうが。
じゃが、そんな話は聞いたことはないのう。女癖が悪いんは、基本的にサッカー部とバレー部が主じゃし。
「なんて言うか…璃亜って本当に人を疑わないって言うか…うん、バカよね」
「そこが璃亜先輩のいいとこッスけど、危なっかしいッスよね」
「とりあえず、璃亜にさっさと引き上げるようにメールしておくよ」
そして幸村のメールを見た璃亜があからさまに嫌な顔をすると鈴木と別れて、走ってこっちに向かって来たが鈴木を思ってか俺等をスルーして行った。
しかもかなりのスピードで。
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