少女チーターになる (1/4)


あたし、楠木璃亜。
只今大変、面倒な事になっております。

時間を少し遡り、あたしと早苗と仁王(最近、何故か一緒にいる)と下駄箱に入り相変わらず、ウザい仁王に朝からイライラしていた。

そしていつもの様に下駄箱を開けて靴をしまい、上履きを出すはずだった。

しかしそこにシンプルな封筒がポツリと置いてあったというか、入っていた。

それを見た瞬間に何故か早苗に封筒を取られた挙げ句、中身を見られる。ちなみに早苗曰く、ファンクラブからのカミソリレターだと思ったらしい。

が、そんな物ではなかった。
むしろ、カミソリレターの方がある意味よかったかもしれない。



「あら…これラブレターじゃない」

「なんじゃと?見せてみんしゃい」

「おい、こら勝手に見んな」

「なんか気持ちを伝えたいから放課後、中庭に来てほしいだってよ?」

「名前は書いとらんのう」

「おい、無視すんな」



確証はないが多分、早苗が言うようにラブレターだろう。いや、もしかしたらファンクラブからの呼び出しって事も有り得るけど。

だけど、なんとなく文字の書き方とかが男の子っぽいし…いや、まぁどっちにしろ呼び出されたらなら行くけど。

まじまじと手紙を見ている仁王がなんかウザいので手紙を奪い返してさっさと教室に向かった。



「ふふふっ、仁王くんどうするの?」

「なんの事じゃ?」

「いや、なんだか面白くなさそうな顔してるから…ふふっ」

「別になんとも思っとらん」

「あら、そう?てっきり中庭に行かせないとか言うのかと思ったのに」

「別に俺が言わなくてもブンちゃん辺りが言うじゃろ」



スタスタと廊下を歩いて行く璃亜を見つめながら、仁王はいつも通りの表情に戻る。

それをなんだか面白いなぁーといった様子で早苗が見ていた。



そして教室に着いた璃亜だったが朝練がなかったせいか、何故か先に登校してきていた丸井と幸村、柳にバッタリと会ってしまいラブレターの事がバレてしまった。



「へぇ…璃亜がラブレターねぇ」

「俺のデータによると楠木は、中等部の頃から結構モテるようで告白された数だけなら32回は越えているな」

「さ、32っ!?う、嘘だろい?」

「柳くんマジうるさい。黙ってください、お願いします」



まぁ、俺等が見守っててあげるからちゃんと中庭に行くんだよ?と幸村に追い討ちを掛けられた訳だ。

うん、これ昼休みになったらテニス部レギュラー全員に広まってるよね。

もうなんなんだよ。


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