現実を受け止めて (1/4)
何はともあれ、無事に病院に着いたんだけど。何故か診察室じゃなくて会議室みたいなところに連れていかれた。
しかもそこには、氷帝のみんなまでいて。いや、氷帝との練習試合した日の帰りに跡部くんにみんなに病気の事を話しといてとは言ったけどさ…
君達まで来ちゃう?
なんかおかしくないか?あたしは、ただ検査の結果を聞きに来ただけなんだけど。
しかし何事も無いように椅子に座らせられて…うん、もういいです…はい。
そしてお医者さんが入って来てにこやかに笑うと人数の紙の束を配る。
あれ?人数わかってるの?あれ?みんな来るの前提だったんだね!あたし知らなかったよ!
いや、まぁ…別に隠す気はないからいいけどさ。
そしてお医者さんが検査の結果を聞きつつ資料に目を通すと、病気について事細かに書いてあった。
「じゃあ璃亜ちゃんは、ちょっと診察もあるからみんなは資料に目を通しながら待っててくれるかな」
とりあえず、資料に検査の結果は書いてあるし説明はしてくれたからいいよね。
こっちだよ。と案内されてゆっくりと席を立って言われた通りについていった。
「跡部くんにも言ってたけど、素敵なお友達達だね。心配だけじゃなくて璃亜ちゃんと一緒に病気をわかろうとこうして来てくれるなんて」
「ハハッ…そうですね。だからこうして病院に来れたし、みんなには言い切れないくらい感謝してます」
「うん、そっか。跡部くんなんか結果はまだかって何回も電話して来たよ。本当に大切にされてるよ、璃亜ちゃんは」
「…はい、わかってます。だからこそ早く治したいです」
先生とそんな会話をしながら軽い診察をしてもらった。
本当にみんなには、色々と感謝してもしきれない。この気持ちは本当だ。みんなに会わなかったら多分、こうして病気と向き合ってなかっただろうし。
その恩返しじゃないけど…あたしなりに早く病気が治るように努力はするつもりだ。
「…この痣は?見ると最近のだと思うけど。一応、薬塗ってあげるから診察台に寝てね」
「ハハッ…ちょっとやんちゃしちゃって。お手数かけます…」
「そう?でもあんまり無理しないようにね。お腹の傷も手当てしとくからね」
「あ、はい。すいません」
結果的にあたしの病気は、進行していた。当たり前と言ったら当たり前なんだけど。
でも良くもなければ悪くもないといったところらしく、入院はしなくていいことになったが定期的に病院に来る事を義務付けられた。
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