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そして璃亜が座るなり、赤也とブンちゃんが璃亜に駆け寄って来て腕や脚を撫でまくる。

ちなみに今、璃亜の格好はTシャツにハーフパンツじゃ。俺のじゃからかなりブカブカでワンピースみたいになっとるが…まぁ、腕と脚が出ているせいで痣がよく見える。

それを赤也とブンちゃんが謝りながら撫でとる訳じゃ。普通に見たらセクハラしてる様にしか見えんが…



「楠木先輩のバカっ…もうホント…先輩がバカ過ぎて俺辛いッス…」

「え、あ…はい。ごめんなさい」

「…痛かっただろい?早く直ればいいけど…もう無理すんなよ…マジで」

「あ、はい…努力します」

「璃亜、本当に無事でよかったよ」

「………ひっ…ほ、本当にごめんなさい」



ニコリと笑いながら頭を撫でる幸村に璃亜が顔を青くして謝ると赤也やブンちゃんが幸村がマジギレしたところを初めて見たとか小声で言い出して璃亜がガクブルしながら顔を上げる。

しかし幸村は、相変わらずの笑顔じゃ。それが更に恐怖心を煽ったのか深々と頭を下げる璃亜に幸村がバカだなぁ…とまた璃亜の頭を撫でた。



「次、無茶したら許さないよ」

「は、はいっ…ごめんなさい」

「でも本当によかった。早く気付いてあげられなくてごめんね…痛かっただろう?」

「え、あっ…いや、大丈夫。なんか慣れたと言うか…なんと言うか…大丈夫だよ」

「えっ?何に慣れたって?よく聞こえなかったなぁ…で、痛かったよね?辛かったよね?」

「……はい、痛くて辛かったです。ぶっちゃけ、あんまり覚えてないけど…」



璃亜の覚えてないという言葉に幸村の顔が歪む。そしてゆっくりと璃亜の腕を取ると痣をそっと撫でる。

璃亜が擽ったそうに身をよじるが逆らうのが怖いのか必死に我慢をしている。

とりあえず、璃亜が早く幸村くんを止めてくれという顔で俺を見とるが無視じゃ。

むしろ、もっと困らせてやるべきじゃ。

そんな事を思っていると雨音が静かに立ち上がると璃亜の頭を引っ叩いた。



「う、うへぇ…康ちゃん…」

「俺に言うことないかな?なんか俺から逃げ出してずっと避けてた人がいるんだけどさ、誰だか知ってる?」

「うっ…い、いやっ…あの時は本当にごめんて…でも、ほら?ね?」

「え?何が…ね?なの?バカなの?死ぬの?幸村、甘やかすなよ。もっと厳しくだ」

「いや、後で個人的に話する予定だからその時に言おうかなと思ってね」

「えっ…なに、それ?こわぃっ…」

「「え、なにか言った?」」

「あ、いえ…すいませんでした」



幸村に加えて雨音が入った事により璃亜の顔がまた青くなり、ガックリと肩を落とすが…それを雨音が見逃さず文句があるの?と冷めた笑みを浮かべていた。

さすがにこれは、可哀想な気がして来たが…こればっかりはどうにもならんからのう。

羽川は、もっと言ってやってくれと言わんばかりじゃし。


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