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次の日も璃亜の様子を見ていたがやはり、特に何もなかった。

雨音と佐々木が来ると眠いからとあからさまに避けていたが、それだけだった。



そして放課後。
璃亜は、何事もない様子で帰りの準備をしていた。そんな璃亜を置いてブンちゃん達は教室を出ていく。

そして璃亜は、いつもの様に俺等を見送った。

ここがすでにおかしい。
前なら下駄箱まで一緒に来ていたはずだ。しかし、余りにも自然に璃亜が振る舞うものだから気付かんかった。



そして俺は、コートに着く手前で忘れ物をしたからちょっと遅れると伝えてくれとブンちゃんに頼んで身を翻した。

璃亜の下駄箱には、まだ靴が入っている。いくら、帰りの準備が遅くてもさすがに下駄箱を後にしているはずだ。


確信は、あった。


赤也が璃亜に会ったと言っていた廊下は、職員室とかけ離れていた。担任に呼ばれてたと言うならおかしな話だ。

そして一つの教室の前で足を止める。微かに聞こえる声に耳を傾けると"璃亜ちゃん"と言う言葉が聞こえた。

すぐにでも出て行きたかったが、女達の会話を聞いて出て行く事が出来なかった。

開きっぱなしのドアからバレない様に中を覗けばキツく目を瞑ったまま、暴力を振るわれている璃亜がいた。



「よく耐えるねぇ?そんなに羽川が大事?」

「でも羽川は、なんも知らずに柳くんといちゃいちゃしてんでしょ?」

「ギャハハッ!マジ健気じゃん!璃亜ちゃん可哀想にねぇ?」

「後、2日耐えれば璃亜ちゃんの勝ちだね。まぁ、頑張ってね?」



ケタケタと笑いながら好き勝手言われても璃亜は、ずっと黙っていた。

そして暫くすると飽きたのか今日は、ここまで〜。とダルげな声で言うと璃亜の髪の毛を掴みそのままビンタをするとケタケタと笑いながらばいばーい、と璃亜に声を掛けた。

あいつらが来ることがわかり、すぐに隣の教室に身を潜めるとあースッキリしただの楽しかっただの言いながら女達が出てきて思わず飛び出しそうになったがグッと堪えた。


そして璃亜が教室から出てくる前に下駄箱へ向かった。


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