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ふーむふむふむ。

あたしってなんだかんだ優しいんだよ。だって、面倒臭いとか思いつつも昨日の今日でケーキを作ってあげたんだから。

いやね?ジャッカルくんに頼むからブン太になんか作ってやってくれないか?って頼まれたら断れないじゃん?

だから仕方なく作ったんだけどね。ちなみにジャッカルくんにも渡すつもりでござる。

テニス部は、朝練があるのでだいたい丸井はあたしより先に教室にいる。


そして今日もいつも通り、お菓子食べながら仁王と話している丸井が目に入る。



「お、璃亜ーっ!」

「相変わらず、元気ですこと」

「ホントぜよ。眠たいのにブンちゃんが喧しくてのぅ」

「そんな事言ってあんたいつも寝てないじゃん。狸寝入りじゃん」

「お前さんは、ホントに色々と鋭いのぅ。気付いとったのか」



まぁ、何となくだけど。
後、切原くん情報です。

寝てる仁王に日頃の恨みを晴らそうとイタズラしようとしたらあっさり返り討ち遭ったとか。

しかもそれが毎度で"仁王先輩は、人の前だと寝ないんスよ!あの人忍者かよ!"って騒いでたからね。

まぁ、あたしはどこでも寝ますけどね!しかも爆睡!



「あ、そうだ。仁王が忍者なのはさておき」

「忍者?なんの話じゃ?」

「ほら、優しい璃亜様からのプレゼントだ受け取れ」

「ま、まじかよっ…!?ど、毒とか入ってねぇよな?」

「ホッントにお前、なんなの?もうジャッカルくんにあげてくるわ。あばよ」

「ちょ、嘘!嘘だから!すげぇ…嬉しいぜぃ。開けていいのか?」



そんな必死にならなくても。
まぁ、半分本気だったけどね。

はいはい、どうぞ。と言うと丸井は嬉しそうに箱を開ける。仁王は、その様子をいつもの様にボーッと見ていた。

て言うか、ジャッカルくんに渡しに行くのは本当だし。丸井には、渡したから早いところジャッカルくんのところに行こう。

そしてゆっくりと立ち上がろうとしたら、何故か丸井が飛び付いてきて危うく転びそうになる。



「おまっ、なにすんじゃ!?」

「マジでケーキ作ってくれたのかよぃ!マジ嬉しいっ!サンキューな!」

「しかも1ホール丸々とは、なかなかやるのぅ。ホントに手作りなんか?」

「手作りですぅ。あ、丸井用で甘いから仁王は食べない方がいいよ。じゃあ、あたしはジャッカルくんの元へ急ぐから!」

「ジャッカルにもあげるんか?」

「まぁね。日頃の感謝と労いの意味を込めて」

「なら俺もついて行くぜよ」

「いや、来んなし」



とりあえず、嬉しそうにケーキを眺める丸井を置いて教室を出て行く。

来んなって言ったのに仁王が普通にいる…けどこの際、どうでもいいや。


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