感謝と労いを君に (1/4)
あたしは、自分の病気を知ってきちんと病院に行くことを決めた。そして仁王に言われた通り、検査をしてみてから色々と考える事にした。
ホントは、予約とかですぐに病院には行けないはずだったんだけど…跡部くんにお礼をするので電話したら病院の手配をしてくれた。
検査入院はしなくて済んだけど結果が出るのに少し時間が掛かると言われていつもの様に学校ライフを送っている。
「璃亜〜、ケーキ食べたい」
「バイキングにでも行けば」
「そうじゃねぇよぃ!お前、俺の誕生日なんもくれなかったじゃん!」
「え?誕生日?」
「確か、璃亜はその日早退したぜよ」
そう言えばいつだか教室中と言うか学校中に広がる甘ったるい匂いで包まれた日があったな。
そしてその理由は、丸井の誕生日だったからである。てか、あたしはその日その匂いに負けて早退したんだけどね。ちなみに丸井の誕生日って知ったのは、その次の日でした。
「いや、ファンクラブの子に貰ったでしょ。どんだけ欲しがりな訳」
「うぐっ…でも璃亜からも欲しいんだよぃ!ケーキ作ってくれよぃ!」
「………………」
「これ、無視はやめんしゃい」
「あー、その内ねその内」
「それ前にも言ってただろぃ!」
いや、実際にあんた誕生日過ぎた今だってなんか色々貰ってんじゃん。
さすがに誕生日当日に比べたらかなり減ったみたいだけどさ。それに仁王の話だと誕生日は、あたしの机にかなりプレゼントが置いてあったらしい。
早退してマジでよかった。
「てか、仁王臭い」
「なら、ファブるからファブリーズ貸しんしゃい」
「いや、持ってないし」
「それくらい用意しときんしゃい。柳生に借りに行くかの」
「ちょ、柳生くん持ってんのか!さすが紳士だわ〜。身だしなみに気使ってるわ〜」
「俺も使っとるじゃろ」
どの口が言うんだこのチャランポランが。シッシッと手を振ると酷いやつじゃとかなんとかブツブツ言いながら教室を出て行く。
てか、もうあいつ教室来なくていいんじゃないかな。
しかも丸井からはお菓子の匂いがして来て、仁王からは甘い香水の匂いがしてくるとか軽いテロだからね。
普通に気分悪くなるわ。
「璃亜って鼻良いよな」
「いや、あんたのお菓子センサーには負けるけど」
「まぁ、俺様は天才だしぃ?」
「あーはいはい」
そして相変わらず、丸井はバカだった。むしろ、ウザかった。
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