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まぁ、あたしはサボってる事の方が多いから別に問題ないけどさ。隣で呑気に読書をしている柳くんを見る。
この人、サボって大丈夫なの?
「ねぇ、柳くん授業行かなくていいの?」
「別に問題なかろう。それに楠木を一人にすると色々な問題が起こる可能性があるからな」
「…さいですか」
「それに楠木に何かあると早苗が悲しむからな」
「あ、はい」
あれ、なにこれ?ノロケかな?
いや、別にいいけどさ。
てか、早苗は柳くんは私なんてなんとも思ってないよ?なんて言ってたけどラブラブじゃねぇか!
早く付き合えよ!
そんな事を思いつつ、あたしはノートを読む事に専念した。
―――
――――
―――――
暫くして、やっとノートを読み終えたあたしはなんとも言えない気持ちになる。
なんというか…ホントにあたしは、何も知らなかったんだと再認識させれた。
「柳くんは、この病気治ると思う?」
「それは楠木次第なんじゃないのか?」
「うん、それもそうか」
「楠木の好きにするといい」
「そうする。後、早苗には再度感謝と謝罪をしよう」
「多分、怒られるぞ」
「うん、怒られてくる」
幸村くんにも再度お礼を言いに行こう。あたしに渇を入れてくれてありがとうって。
ちゃんとしよう。
あたしが早苗の立場だったら確実にキレてるレベルの話だもんなぁ。
そのくらいあたしの病気は重い。
海外に行けばもしかしたら良い施設で病気が治るかも知れないが…
「跡部くんって結構心配しいだよね」
「楠木が余りにもバカだからじゃないか?」
「柳くんが早苗に似てきた件について」
「とりあえず、跡部の言う通り海外に行くことはやめた方がいいだろう」
「あ、やっぱり柳くんもこのノート見たんだ」
ノートの最後に跡部くんからのメッセージがあったのだ。
"今、海外に行くのはよせ。
今の状態でお前が海外に行ったら病気を治すどころかモルモットみたいに身体中調べられて過ごすだけだ。
具合が悪くなったらいつでも連絡しろ。日本の良い医者なら腐る程紹介してやる。"
…………うん。
跡部くんってナルシストだしウザいしキラキラだけどホント優しいよね。
跡部くんにも後でお礼を言いに行こう。
ホントあたしって周りに助けられてたんだなぁ。と改めて自分の不甲斐なさを思い知った。
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