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まぁ、立海の人達がイライラするのもわかる。

ましてや、同じ学校で俺なんかよりも長い時間を共にしている訳だからな…璃亜さんに悪気がないとわかっていても、文句を言いたくなる気持ちもわからなくもない。

だからといって、璃亜さんにこんな顔をさせていい理由にはならないがな。



「…わたし、悪くない?」

「悪くないです」

「本当に? 色んな人と仲良くしても嫌いにならない?」

「逆に聞きますけど、俺が色んな女子と仲良くしてて嫌なりますか?」

「えっ、……ちょっと嫌かも」

「…いや、話が進まないんでそこは別に嫌じゃないって言って下さい」

「…ん、なんか少しわかったかも。そっか…確かに嫌だね」

「勝手に納得しないで貰えます?」



普通に例え話をしようとしただけなのに、何故か食い気味に嫌だと言われて嬉しいよりも驚きが勝った。

そして何故か、少し悲しそうな顔をして1人で納得している。

…これは、また良くない方向に考えてるパターンだ。本当にこの人は、面倒な事を考える事だけは早いな。



「はぁ…まぁ、じゃあ違う例え出しますけど 俺が色んな女子と仲良いとして、璃亜さんは嫌なんですね?」

「うん、なんか嫌だ」

「じゃあ仲良くはしているけど、あからさまに璃亜さんが相手の時と態度が違ったらどうですか? まぁ、璃亜さん以外には仲は良いけど冷たいとか距離感があるとかそんな感じで」

「………わたしにだけ優しいって事?」

「はい」

「…そりゃあ、特別って感じで嬉しいけど」

「その特別に仲良くしてる相手が璃亜さんは多いだけなんですよ。璃亜さんの特別だからこそ、みんな嫉妬するんですよ」

「…なるほど。特別だからこそ、って事だよね?」

「そうです。だから、璃亜さんは悪くないんですよ。特別な奴等のただの我儘ですから」

「なんかよくわかんないけど、わかった気がする! じゃあ今のままで良いんだ?」

「はい、今のままで良いです」



結局よくわからないらしいが、まぁ納得はしてくれたらしい。ちなみに俺も自分で話していて何を言っているのか、わからなくなるくらいには混乱はしていた。

まさか、例え話に璃亜さんが嫉妬するとは思ってもいなかったからな。

だが、その結果さっきよりも璃亜さんの表情は明るくなったのでよしとする。



「わたしって、わかちゃんの特別に入ってる?」

「逆に入ってないとでも?」

「いや、普通に学校で仲良い女の子とかもいるよなぁって思って…」

「生憎、俺は基本的に女子とは必要最低限の会話しかしませんよ。唯一、話すと言えばマネージャーの天龍寺くらいです」

「…な、なんか想像通りだった」

「騒がしいのは嫌いなので」

「えっ、わたしって結構騒がしいタイプだよね!?」

「そこは、まぁ…特別なので」

「なんか特別ってすげぇな!!」



…そして安定のバカだった。
元気になったらなったで、腹立たしいくらい鈍い上に能天気である。

あえて "好き" ではなく "特別" と言ったのを少し後悔したが、今の璃亜さんにはこのくらいがちょうど良い。特に鈍い璃亜さんを余り刺激し過ぎても、逆効果になるだろうからな。


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