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そして結果的に何故かブンちゃんは、佐々木と意気投合したらしく今じゃ璃亜そっちのけで璃亜の話をしている。
しかも本人がいるのにも関わらずじゃ。
「璃亜は、あれだよな!お転婆とか通り越してただの暴れ馬!」
「あ、それわかるぜぃ!周り見てないって言うか、無鉄砲だよな!」
「おい、誰が暴れ馬じゃ!」
「でもこいつ口悪いけど根はいいやつだからよ。丸井もあんま気にすんなよ!俺なんて去年何回死ねって言われたことか」
「おう!それはわかってるから大丈夫だぜぃ!佐々木も大変だな」
しかも璃亜を華麗にスルーしてる。むしろ、いつも騒いでいるのがブンちゃんなだけあってギャーギャーと騒いでいる璃亜に違和感を感じる始末じゃ。
おい、無視すんな!とブンちゃんと佐々木の頭を叩くがこれだから璃亜は…みたいな顔をして顔を見合わせている。
「ふふっ、完全に璃亜が遊ばれてるわね」
「璃亜を弄れる仲間が見付かって那由も嬉しそうだしなぁ」
「後でブンちゃんと佐々木は、璃亜に殺されるんじゃなか?」
「去年は、いつもの事だったよ。てか、仁王って結構喋るんだね」
「何がじゃ?」
「いや、いつも話し掛けんなオーラ出してて、なんか近寄りがたいって聞いてたから」
それどこから聞いたんじゃ。
まぁ、確かにテニス部の奴等以外とは滅多なことがないと話したりせんが…。
別に普通じゃん。と言いながらまぁ、なんかの縁だし?よろしくと手を差し出されてとりあえず握手をした。
そんな様子を面白おかしいと言った様子で笑いながら見ている羽川は、やっぱり性格が悪いぜよ。
「もうやだこいつら!死ね!早苗ー、康ちゃん助けて!」
「璃亜は、ツンデレだよな!」
「いや、ツンツンツンツンデレだな!そのデレがまたいいんだよなぁ」
「うっせぇよ!もう那由帰れよ!うっぜぇ!マジでうっぜぇ!」
「照れんな、照れんな!」
「照れてねぇよ!お前マジでうっぜぇ!だから彼女出来ねぇんだよ!」
ギャーギャーと騒いでいる璃亜は、なんだかんだ言いながら楽しそうだった。もちろんブンちゃんや佐々木もじゃが。
まぁ、羽川は最初から楽しんでる様で終始笑いっぱなしじゃが。
「女狐の羽川にバカな璃亜に喧しい丸井か。仁王、お前苦労してるな」
「そうじゃろ?」
「去年の俺を思い出した。まぁ、羽川いないだけでマシだったけど」
「あら、雨音くんったら酷い。ふふっ」
どうやら、雨音は苦労人だったらしい。そして雨音の女狐発言にふふっと笑う羽川を見て妙に納得した。
(仁王、こいつには気を付けろよ)
(任せんしゃい)
(なによ、私を妖怪みたいな目で見て)
(妖怪よりたちわりぃよ)
(羽川は、雨音になにしたんじゃ)
(ふふっ、なにもしてないわよ?)
(…ほら、すぐこれだよ)
(まぁ、羽川だしのぅ…)
(あら、仁王くんまで酷いわね)
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