238*(2/4)
そしてじゅさとリョーマくんの試合が始まったんだけども…なんていうか、めっちゃ上手いよなぁって感じ。
正直、リョーマくんもかなり上手いし強いと思うけどやっぱり経験が違うのか…なんて言ったらいいかわからないけど、なんか…違うんだよね。
「どや? 毛利の奴、むっちゃ強いやろ? まぁ、俺にはまだ勝てへんけど」
「いや、普通に強いのは知ってましたけどね」
「うむ…寿三郎は、俺等より遥かに強くなった」
「ふふ、毛利くんは本当に伸び代が凄いよね」
「あぁ、本当に強くなった」
う、うわぁ…。
やっぱり昔の(?)じゅさを知ってる人達は言うことが違いますねぇ!! そしてそのじゅさは、マジで容赦ないですねぇ!!
ていうか、本当に昔から上手かったんだ。わたしは、じゅさがテニスをしてるのはもちろん…強さなんか知らなかったし。そもそも、途中であいつはわたしの前から消えたからな! 知るわけないんだよなぁ!
だけど、じゅさのプレイを見れば…嫌でもわかるよ。いっぱい努力して、いっぱい無理して、いっぱい頑張ったんだろうなって。
……く、くそぅ…まだ大会じゃないのにちょっと感動するじゃないか。やめろよ、わたしはスポ根に弱いんだ。
「ハッ、余裕で勝ったなァ」
「まっ、流石に負けたらペナルティーやわ」
「うむ、それに今日はいつもより調子が良さそうだ」
「璃亜、勝ったでー! 褒めてやー!!」
「お、おう…」
「ん? どないしたん? 別に手加減とかせんかったで?」
「いや、前に修二さんと試合してた時とはまた違った雰囲気だったから…ちょっとビビってる」
じゅさのちゃんとした試合を見るのは、多分これが2回目だ。練習で軽く打ち合いとかならよく見てたけど…そういう時は、結構気楽にやってたし。
だから…なんていうか、じゅさが真剣にやってるのを見るのは多分2回目。
1回目の時は、じゅさも修二さんも結構本気で…気迫が凄くて話し掛けるのも躊躇するくらいだった。
で、今回のじゅさは…別にふざけてる訳じゃないし、本気だったと思うけど…なんていうか、楽しそうだったんだよね。気楽って言い方は良くないけど、リラックスして試合が出来てたというか…。
いや、1回目の時は訳のわからん条件有りでの試合だったからかも知れないけど…なんか、やっぱりこっちの方がいい。
「おい…お前がめっちゃ楽しそうで泣きそうになった、どうしてくれんだクソが」
「…璃亜、可愛過ぎん?」
「おい、イチャイチャしてんじゃねェぞ」
「ちょ、イチャイチャはしてないです! やめて下さい!!」
「ちょ、否定すんのはやない!?」
「ふふ、それで次は僕と遠野でいいのかな?」
「せやで! いってら」
とりあえず、嬉しそうにヘラヘラと笑いながらわたしの頭をわしゃわしゃと撫でるじゅさに、ちょっとだけ安心した。
…ちゃんと楽しんでテニスが出来てるならマジでよかった。
ていうか、さっきからめっちゃ悔しそうにこっちを見てるリョーマくんが可愛い。いや、普通にリョーマくんも凄かったからね! だから自信持ってええぞ!
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