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237*(4/4)


…いやぁ、流石に強いなぁ。
普通にわたしがペアってだけで、かなりのハンデなのに全然余裕そうな鬼さんが恐ろしいぜ。

そして相手は、千石くんと神尾くんペアなんだけど…普通に相性は良いみたいで普通に強いです。ていうか、前衛で千石くんと勝負になると普通に負けるのが悔しいんですけど! わたしに身長とパワーを下さい!!

だがしかし、後衛の鬼さんがクソ強いので試合的には全然負けてないんだよなぁ!! それはそれでなんか悲しいけど、そろそろ千石くんの癖が見えてきたので反撃をしたいと思います。

だけど、千石くんの反応速度がちょっと異常なので…正直、勝てるかは少し怪しいです。

うーん…前衛なら勝てるかもとか思ってたのが間違いだったよ。まぁ、普通に考えて現役テニス部員だからね…なのに勝てると思ってる方がおかしい訳で、わたしは舐め過ぎである。



「おい楠木、まだイケそうか?」

「全然大丈夫ッス! さっきから千石くんに嫌がらせされてて、全然打たせて貰えてないんで!」

「えぇ〜! そんなつもりないよ? ただ、璃亜ちゃんを警戒してるだけだってぇ〜」

「絶対に嘘だ! さっきから、わたしが打てない返球ばっかりだもん!!」

「ハハハ。まぁ、津多くんと神尾くんから璃亜ちゃんの苦手コースとか聞いてるからねぇ。ごめんね?」

「ハッ! わたしの弱点が筒抜けな事を忘れていた!! クッソ、許さんぞ1年組ィィ!!」



そして千石くんが言うように、確かにわたしの苦手コースが多い事に気付きました。そりゃあ、わたしが敵ってなればわたしの情報も共有するよなぁ!!

しかもそれを的確に千石くんは、狙う事が出来るのが更に質が悪いんだよなぁ!! 1年生組とかならまだコースが甘かったりして、わたしでも取れたりするのに千石くんのは普通に無理です。

しかも前衛同士ってなると、いくら反応は出来ても絶対にパワーで負けちゃうし。

…アレ? わたし、実はダブルス向いてないんじゃね? シングルスと違って相手を翻弄するのも難しいし。ていうか、千石くんはメンタル強いタイプっぽいし…揺さぶりも効かなそうだしなぁ。



「…うぅ、鬼さん! 次、わたし後ろ下がっていいッスか?」

「ん? 別に構わねぇぞ」

「あざます! ちょっと千石くんがウザ過ぎて、なんも出来ないんで!!」

「ちょ、酷いよ〜…璃亜ちゃーん…」

「よっしゃ、神尾くん覚悟しろよゴラァ!!!」

「えっ、なんで俺なんスか!?」



そんなもん、わたしがまともに千石くんを相手に出来ないからだよ!! やっぱり2年生だと普通にレベルが違い過ぎて、全く相手にならん。

ていうか、やっぱりなんだかんだで…色々とダブルスで打ち合いとかしてきたけど、試合ってなると全然違うんだよなぁ。

でも、まぁ…かなり千石くんの動きには慣れて来たからね。その結果、わたしは千石くんと相性がかなり悪いので癖やら弱点を知り尽くしている神尾くんを狙わせていただくぜ!!



(ハハッ! 容赦ないな!)
(千石くんの相手するのは悪手なんで!)
(さっすが、璃亜ちゃんって感じ?)
(すんません、千石さん!)
(大丈夫大丈夫〜次は、取れるよん)
(そう簡単に取られて堪るか!)
(でも俺は慣れて来たからね、取らせて貰うよ〜)
(ひえっ…2年生怖い!やだぁ!)
(とか言いつつ、璃亜ちゃんも返すねぇ〜)
(クッソ! 千石くんがうぜぇ!!)
(そりゃあ、ただの悪口じゃねぇか)

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