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でも璃亜から教室に遊びに行ったりとかしてるみたいだけどね。と付け加えるとなんとも言えない顔をしているブンちゃんの方を向く。
「ふふっ、そんな顔しなくても璃亜は気にしてないと思うわよ?だから、いつも通りで大丈夫」
「だって俺等のせいであいつ友達と話せねぇんだろ?だったら…」
「仮にそうだとして、璃亜が丸井くんを拒否してないんだからいいんじゃないの?」
「で、でもよぅ…ファンクラブの事だってあるし。やっぱり璃亜に関わんねぇ方がいいんじゃねぇのか?」
「ん〜、璃亜に本気で関わるなって言われたらでいいんじゃない?」
随分とあっさりしている羽川に対して色んな事への後ろめたさがあるブンちゃんは、相変わらず難しい顔をしている。
なんだかんだ言って、ブンちゃんも璃亜の為ならって考えてるからのぅ。
まぁ、席が隣な時点でブンちゃんが話し掛けなかろうが璃亜を妬むやつがいるからあんまり意味ない気もするが。
「あんまりウジウジしてるとホントに嫌われちゃうわよ?なんなら、話に混ざればいいじゃない」
「羽川、あんまりブンちゃんをいじめるんじゃなか」
「いじめてないわよ。璃亜ー、佐々木くん達も一緒でいいから来てちょうだい」
「お、おいっ」
全く羽川も性格が悪いぜよ。
まぁ、ウジウジしてるブンちゃんも悪いんじゃが。
佐々木達と話していた璃亜は、羽川の言葉に頭に?を浮かべながらも素直にこっちに向かってくる。
もちろん羽川に言われた通り、佐々木達と一緒にじゃ。
「ん、なに?どったの?」
「いや、私も佐々木くん達と久し振りに話したかったから。ふふっ」
「おー羽川も久し振りだな!いや、羽川とは結構会うよな?廊下とかで」
「彼氏といちゃつきながら歩いてるから話し掛けにくいけどね」
「私、彼氏なんかいないわよ?」
そして完全に置いてきぼりなブンちゃんと俺。いや、別に俺は構わんのじゃが…ブンちゃんが。
なんとも言えない顔で佐々木達を見ていた。
あからさまにお前等いいないいな。といった感じで羨ましそうじゃ。
「丸井と仁王は、あんま話した事なかったよな?璃亜から話は聞いてるぜ!」
「不束な娘ですが今後も面倒を見てやってくれると嬉しい」
「ちょ、康ちゃんなに言ってんの!?てか、あたし康ちゃんの娘だったの!初耳!」
佐々木は屈託のない笑顔でそう言うと璃亜の頭をペシペシと叩き、雨音の柔らかい笑顔を浮かべると軽く頭を下げた。
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