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そして面倒臭くも一仕事終えた俺は、重い足取りで教室へ戻ってきた。

ちなみにさっきの時間は、体がダルかったから保健室で寝てた。



「仁王〜…お前どこ行ってたんだよぃ」

「ん?なんじゃ、そんな死にそうな顔して」

「あれ見ろぃ」



教室に戻るなりブンちゃんが何故か凹んでる。そしてブンちゃんが指差す方を見れば、璃亜が佐々木達と楽しそうに話していた。

あぁ、なるほどの。

教室では、基本的に璃亜はブンちゃんか羽川と騒いだり話したりしてるんじゃが…

それを佐々木達に取られたと凹んどる訳じゃな。



「あいつ等、誰なんだよぃ」

「気になるなら羽川にでも聞きんしゃい。さすがに名前くらいしか知らんぜよ」

「はーねーかーわー!!ちょっと話しようぜぃ!」

「そんな大きい声出さなくてもよか。ほれ、羽川が驚いとる」



急にブンちゃんに呼ばれて驚いた様子の羽川だったが、なんの事で呼ばれたのかわかったらしくクスクスと笑いながら俺等の元へやってくる。

まぁ、ブンちゃんは分かりやすいから仕方がないぜよ。



「ふふっ、なに?どうかした?」

「これ、わかってるくせに聞くんじゃなか」

「だって、丸井くん分かりやす過ぎなんだもの。璃亜の事でしょ?」

「な、なんでわかるんだよぃ!?」

「ふふっ、璃亜と話してる子達の事でしょ?いいよ、教えてあげる」



むしろ、ブンちゃんは何故羽川にバレないと思ったのか。まぁ、ブンちゃんじゃから仕方ない。

クスクスと笑いながらも、羽川は璃亜と佐々木達の事を話してくれた。

中等部の時から仲が良くていつも一緒に騒いでいたそうだ。ちなみに去年は、同じクラスだったらしくほとんどを佐々木達と過ごしていたらしい。

その佐々木と雨音は、軽音部らしく羽川が委員会などで暇な時などに璃亜も見学がてらに遊びに行っていたそうだ。

他にも璃亜には、男友達が多い事を簡単に話してくれた。



「ほら、璃亜ってあんな性格だから女子より男子と気が合うみたいなのよ」

「まぁ、わからんくもないが」

「女子にも仲良い子は、いるけどクラス違うからなかなか会う機会ないし。それに近くに丸井くん達がいるから…ね?」

「怖がって話し掛けられないって事じゃな?」

「まぁ、璃亜が話し掛けない方がいいってメールで言ったらしいんだけどね」



なるほどの。だから璃亜の近くにいる女子は羽川だけなのか。クラスが違うなら自分が巻き込まなければファンクラブに目を付けられないからってところか。

そう考えると璃亜には、随分と窮屈な思いをさせてるんだとその時知った。


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