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夜になり、璃亜がいつ目を覚ましてもおかしくない時間になった訳じゃが。

特に部屋に入るのを禁止している訳じゃないので、ひっきりなしに誰かしらが璃亜の部屋にいる様な状態になっている。

もちろん、騒いだりはしとらんし、静かにただ璃亜の寝顔を眺めて気が済んだから帰って行く感じじゃが。



「ふふふ、そんなに今か今かとみんながそわそわしてたら璃亜も起きづらいんじゃないかしら」

「そう言われても、やっぱり気になるやないですか。それに自分が居らん時に目を覚ましたら腹立つんで」

「でもそろそろ寝ないと明日の練習に響くんじゃないかしら。もちろん、好きなだけ居てくれて構わないんだけれど」

「羽川さんは寝なくて大丈夫なんですか? もし、俺等がいるせいで寝れないのならすぐに帰りますよ」

「ふふ、大丈夫よ。私も眠くなったら璃亜の隣で寝るから」

「…うむ、早苗の寝顔を見せる訳にはいかない。故に、早苗が寝る時になったら強制的に全員出て貰おうぞ」

「うわぁ、面倒臭い彼氏きちゃー。ま、さすがに羽川さんに悪いんでそうなったら帰りますけど。間違っても柳さんに言われたからとかやないですからね」



ベッドの周りで談笑しちょる連中は、まぁ…完全な夜型みたいで未だに眠そうな気配はない。ちなみに芥川や鳳みたいな真面目なタイプは眠気に勝てずに、既に退場しちょる。

もちろん、うちの真田も早々に脱落した。

それに心配じゃが、こんだけ人がいるならと身を引いて部屋に来ない奴等もいる。主に比嘉と緑山の連中じゃが。まぁ、後はまちまちで来てすぐに帰ったりしちょる感じじゃな。

で、特にやる事もないので俺の隣でボーッとしちょる赤也とブンちゃんが眠そうじゃ。ちなみに柳生とジャッカルは、さすがに明日の練習もあるからとさっき部屋に帰った。



「幸村、赤也とブンちゃんが半分夢の中なんじゃが」

「意地でもいるって言ってたけど、限界かな。まぁ、俺はまだ全然起きてられるけど時間が時間だし…羽川に任せて俺等も寝ようか」

「それがええじゃろ。参謀も気が気じゃないみたいじゃし」

「ふふふ、あのバカップルいい加減にして欲しいよね。じゃあ、跡部も手塚もそれでいいよね?」

「あぁ、そうだな」

「おい、お前等! 今日は、もう寝るぞ。璃亜の事は、羽川に任せておけ」

「…せやな。璃亜ちゃんもそうやけど、羽川さんも大変やし。ほな、帰るで財前」



なんだかんだでみんな、跡部の言葉には素直に従うんはなんでなんじゃろうな。イラッとするんじゃが、まぁ…跡部だししょうがないかって感じなんじゃろうか。

そして渋々ではあるが、全員が璃亜の部屋を出て各々の部屋へ戻って行った。


※204号室 跡部・財前
(ほんまに起きるんですかね)
(アーン? 起きなきゃ困るだろうが)
(いや、あんだけ騒いでも全く反応せんかったし)
(それだけ深い眠りなんだろ)
(その分、元気になるんでしたっけ?)
(まぁ、そんな感じだな)
(前以上に元気とか絶対にうるさいやん)
(ハッ、うるさいのが璃亜だろ)
(それは確かにそうですわ)
(明日には目を覚ます。すぐにわかるだろうよ)
(ま、予想出来ますわ)

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