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朝食時から顔色は悪くはないが、あからさまに調子が悪そうだった。それに璃亜はいつもなら"大丈夫大丈夫"と軽く流すはずじゃが…素直に休むと部屋に戻って行くのも違和感を感じた。

じゃが、練習を抜ける訳にはいかないので昼休憩になってからすぐに璃亜の部屋へと向かった。

一応、羽川に練習を抜けて休むと連絡はしたみたいじゃが…どうも様子がおかしかったらしい。

とりあえず、ドアをノックしてみるが中から反応はない。ゆっくりとドアノブを回せば、いつも通り鍵は掛かっておらずあっさりとドアが開いた。

そして僅かに上下に動いているベッドにゆっくりと近付くと、いつもと変わらない寝顔の璃亜がいた。

顔色は悪くはないみたいじゃが…やはり、少し心配じゃな。

とりあえず、昼飯は食べさせた方がいいと思い軽く璃亜の肩を軽く揺する。

………?
いつもなら眠りを邪魔されると、嫌そうに唸りながら逃げるように体を捩るはずじゃが、璃亜からはなんの反応もない。

かなり疲れていて熟睡している可能性も考えたが、朝から璃亜の様子がおかしかった事をもあり、嫌な予感がして急いで羽川に連絡をした。

普通に息はしとるし、体も冷えてはない。じゃが、まるで起きる様子がない。

そして羽川が来るまで、何度も璃亜の頬を撫でたり触れてみたりしたが、まるで反応はなかった。



「仁王くん、連絡ありがとう。ごめんなさい、驚いたわよね」

「その様子じゃと、初めての事じゃないんか」

「えぇ。でも去年はなかったから、少し私も驚いてるんだけれど…」

「よし…うん、大丈夫そうだね。それじゃあ、僕から説明した方がいいかな? 早苗ちゃんは、璃亜ちゃんの近くにいた方がいいだろうし」

「はい、お願いします。みんなには余り心配せずに、璃亜が目を覚ましたらいつも通りに接して欲しいと伝えて下さい」

「あぁ、わかったよ。じゃあ、仁王くん行こうか」



羽川と一緒に来た氷室先生が軽く璃亜の様子を診ると、すぐに大丈夫だと言わんばかりに柔らかく笑った。

…なんだかよくわからんが、璃亜は大丈夫らしい。それに羽川の様子を見ればわかる様に、取り乱したりしとらんし…本当に大丈夫みたいじゃな。

そして璃亜のこの状態について、みんなにも説明をしたいからと氷室先生と一緒に食堂へと向かった。

どうやら、コーチ達には既に話をしていた様で食堂へ向かっている途中で全員食堂へ集合とのの放送が入って、氷室先生や羽川は大丈夫と言っていたが何となく不安を感じた。

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