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結局、璃亜さんは"自分には恋愛相談は荷が重いぜ!"とか言って、部屋に戻っちゃった。
まぁ、ちょっと眠いみたいだったし、体調も万全じゃなかったから素直に見送ったけど。
「ほーんと、狙って邪魔してるでしょ」
「あぁ?だから、俺の方が先にいたって言ってんだろぉが」
「なら、すぐに出てくればいいじゃないッスか」
「俺の勝手だろぉが」
「あーあ…璃亜さんも全然自分の事だって気付かないし。むしろ、変な勘違いしてそうだし」
「知るか」
何故か、屋上に残ってる亜久津さんに嫌味を言いつつ、璃亜さんの鈍感さに頭を悩ます。
ま、わかってたけどね。
璃亜さん、本当にバカだし。恋愛とか以前に、普通に色々と変ところが鈍いし。
なのに、たまに勘は鋭いから余計に訳わかんないんだよね。ま、璃亜さんの事だから自分の事より回りなんだろうけど。
「ねぇ、璃亜さんを自分の女にしようと思わないの」
「あぁ?」
「あんた意外に硬派だよね。俺の邪魔はするけど」
「テメェもそうだが、態度や行動で示す前に言葉に出せばいい話だろうが」
「それが出来たら苦労してないし。ていうか、あんたも言葉に出してないじゃん」
「今は、必要ねぇだけだ」
「・・・ふーん」
つまり、璃亜さんを好きな事は否定しないって事ね。いや、別にわかりきってたけど。
はぁ…それにしても、本当に厄介な人にばっかり好かれてるよね、あの人。むしろ、厄介じゃない人がいないんじゃないかってくらいだよね。
しかもこの合宿で更に面倒な人が増えてるし。いや、俺が知らなかっただけで知り合いだったんだっけ。なんか元立海生だって話だし。
「おい、俺は戻るぞ」
「どうぞ」
「テメェも早く戻れ。明日、あのバカにぐちぐち言われても知らねぇぞ」
「あ、マフラー忘れてた」
「好きな女を守るどころか、心配されてりゃ世話ねぇな」
「うるさいよ」
「ふんっ」
そう言うと亜久津さんは、振り向きもしないで屋上を去っていった。
・・・このマフラー、璃亜さんの匂いがする。
まぁ、当たり前なんだけど。
この合宿中、なかなか話せてないし。ましてや、触れる事すら稀だったから…なんか変な感じ。近くにいても、全然構ってくんないし。
もっと俺の事、見てくんないかなぁ。
ていうか、キスした相手なのに意識して無さ過ぎだよね。
でも、そこまでして気付かないっていうか…意識しないなら別にキスしてもオッケーって事じゃない?
・・・隙があれば狙おっと。
※部屋に戻ったリョーマ
(お、やっと戻って来たで)
(亜久津と屋上にいたんだって?)
(まぁ、そうッスね)
(なになに〜?亜久津となに話したの?)
(まぁ、色々ッス)
(っ!それ璃亜ちゃんのマフラーやん!)
(あり?ほんとだ。どうしたのそれ?)
(貸して貰ったッス)
(つまり、璃亜ちゃんと…)
(えぇっ、亜久津といたんじゃないの!?)
(まぁ、いたッスけど)
(つまり、3人でいたって事じゃなーい?)
(え、なにその不思議な組み合わせ!)
(まぁ、色々ッスよ)
(自分そればっかやん!!)
部屋メンバー*白石・千石・新渡米
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