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ていうか、あたしはその子を知らない訳で…何故にリョーマくんはあたしに相談をしてきたんだ!?
リョーマくんの好きな子が、桜乃ちゃんか朋ちゃんならわかるんだけどさ。
「その人、凄い鈍感で人の好意とかに全然気付かないんだよね。そこもバカで可愛いけど」
「ベタ惚れかよ! リョーマくんがそこまで言うんだから、そんだけの子なんだろうけどさ」
「しかも、その人の事狙ってるの俺だけじゃないんだよね」
「モテモテかよ」
「だけど、全然気付いてないんだよね。だから、どうしたら意識して貰えると思う?」
・・・ふむふむ。
相手に意識して貰うには?って事だよね。
いや、なんだろう…え、わかんね。
ダメだ。恋愛偏差値の低さが物凄く響いてやがる。全然いいアドバイスが出てこないぜ。
「ケッ…くだらねぇ」
「ふぁっ!?」
「亜久津さん…なんでいるんスか」
「あぁ?俺がどこにいようと勝手だろうが。そもそも、先にここにいたのは俺だ」
「盗み聞きとは感心せんな! おいこら、タバコに火をつけるな!」
「チッ…うるせぇな」
そして突如現れた仁により、リョーマくんの恋愛相談は中断とおもいきや、何故かリョーマくんが仁に話を振るというまさかの展開に発展した。
仁にまでアドバイスを求めるとは、そこまで思い詰めていたのか…リョーマくん。
いや、恋愛偏差値0のあたしからしたら助かるけどさ。あたしより仁の方が、まだまともなアドバイスを…
「んなの、さっさと自分の女にしちまえばいいだろうが」
「過程がぶっ飛び過ぎです、仁さん」
「まぁ、出来るならしてるよね。ていうか、亜久津さんもいるよね、好きな人」
「マ、マジで!? 仁にも好きな人とかいるの!?」
「あぁ!?」
「だって俺の邪魔するし。そういう事でしょ?」
お、おーっとぉおぉ!?
まさかのリョーマくんと仁の好きな人が同じフラグか!? ていうか、仁がリョーマくんの邪魔をしているだと?
つまり、その子はリョーマくんと仁と知り合いなのか。なんかすげぇな、その子。
そして物凄い形相でリョーマくんを睨んでいる仁である。目だけで人を殺しそうだよこの人。真の英雄は目で殺すってか!カ
ナさーん!
「ふんっ…知るか」
「自分の女にしちまえばいいって言ったのに、邪魔するって事はそういう事じゃん」
「あ゙ぁ!?」
「俺に取られたくないって事でしょ」
「テメェ…!」
「ま、まぁまぁ!!落ち着きたまえ、君達!」
そして何故か言い合いを始める2人に少し驚きながら、この2人に好かれてる女の子は色々と大変だなぁ…とか思った。
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