224*とんでもねぇセンス(1/4)
ん〜っ!ふぁ…よく寝た。
よしっ!凛が迎えに来る前に、ちゃちゃっと準備しちゃお。
まぁ、言わずともあたしは可愛らしい服なんて持って来てないので、かなり地味な感じだけど。
それにメイクも最低限でいいし、髪の毛もただ下ろしとけばいい。その結果、すぐに準備は終わった。
なんていうか、自分で言うのもアレだが…かなり女子力が低い。
そして迎えに来た比嘉メンバーの私服に、あたしは更に絶望するのであった。
「どんなモデル集団だよ!!」
「おー、璃亜は朝から元気さぁ」
「いつも通り騒がしいですね。とりあえず、他の連中に見付かると面倒ですから早く行きますよ」
「ひ、ひえっ…知念くんのスタイルの良さがやべぇ」
「ぬーが?」
「いいから行きますよ」
相変わらず、スルースキルが高い木手くんである。いや、まぁ…木手くんが言ってる事は物凄くわかるんだけどさ。
それにしても…あたしの周りというか、テニス部って顔はいいしスタイルもいいしで、今更だけど…とんでもないよね。
まぁ、その変わり性格に難がある奴がほとんどだけどな!
比嘉は、根は良い子なんだけど…ツンデレが過ぎて孤立してる感じ。ていうか、なにかと敵対心を持ち過ぎなんだよ。
だけど、まだまともに思える数少ない良心的な人達なので、あたしは好きです。ていうか、言葉の壁さえなければ癒しスポットですらある。
「行きは一緒ですが、帰りは別ですから時間には気を付けて下さいよ」
「おん、任せれ」
「つまり、木手くん達の用事は早く終わるのかね?」
「そうですね。そんなに時間は掛からないとは思いますが、何故です?」
「いや、なんとなく聞いただけ」
「平古場くんだけで不安なのでしたら、途中で合流しましょうか?」
「いや、そんな事ないよ? ただ、早く終わる用事なら凛も一緒に行けば1人にならなかったんじゃないかなーって」
今の時間もかなり早めだし、早く終わる用事なら普通に凛も木手くん達と一緒に行けばいいのになぁ〜と思った訳だ。
いやまぁ、別に凛と一緒に出掛けるのが嫌とかじゃなくて、素朴な疑問的なね。
むしろ、あたしは出掛けられて嬉しいからいいんだけど。やっぱり凛は、木手くん達と一緒の方がいいんじゃないかなぁ〜とか思った訳よ。
だが、そんなあたしに木手くんがやれやれと言わんばかりに溜め息を吐くと、"効率が悪いんですよ"と一喝された。
うん、木手くんだもんな。
その理由で何故か納得が出来る不思議。
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