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そして部屋に着いて、軽く着替えを済ませてからわかちゃんを部屋に入れた。
「それで、今更だけど自主練は大丈夫なの?」
「本当に今更ですね。まぁ、自主練のメニューは済ませてるんで大丈夫です。さっきは追加で走ってただけですし」
「ならいいんだけどさ」
「それで幸村さん達がイライラしてる理由についてですけど」
「うんうん、あたしにわかりやすく詳しく教えて下さい!」
あたしの言葉にソファーで座っていたわかちゃんがハァ…と大きな溜め息を吐いた。
いや、マジでわからないんだから仕方ないじゃないか。それに自慢じゃないが、理解力も余りよくないから詳しく教えて貰わないとわからない自信があるんですよ。
そんなあたしに再度わかちゃんが溜め息を吐くとゆっくりとあたしを見た。
「単刀直入に言うと、まぁ…嫉妬みたいなものですよ。急に璃亜さんが毛利さんへの態度を変えたのが気に入らないんですよ」
「いや、それはまぁ…態度が変わったのは否定はしないけどさ。なんで、あたしがじゅさと仲が良いのが嫌な訳?別にじゅさだけと仲良くしてる訳じゃないじゃんか」
「ハァ、璃亜さんならそう思うと思ってましたよ。じゃあ例えばの話ですよ?ある日、突然…羽川さんの元親友と名乗る人が学校に転校でもして来たとしましょう」
「ふむふむ」
「羽川さんは、黙って姿を消した元親友に冷たく当たっていました。しかし、ある日を境に2人が急に親しくなり自分とはまた違った雰囲気で仲良くしているのを目の当たりにしました。璃亜さんはどう思いますか?」
「あんまり気分良くないし、早苗を取られた気持ちになる」
「つまり、そういう事ですよ。幸村さんや丸井さんがイライラしていたのは」
・・・な、なるほど。
それは確かにイライラするかもしれんな。もし、早苗に本当にそんな子がいたら凄く嫌だし。
だけど、あそこまで精市がイライラする必要はないんじゃなかろうか。いや、相手がじゅさだからって事もあるけど。
今まで他校の人達と仲良くしてても、あんなイライラしてた事なかったし。いや、それはまた違うのか。他校の場合は別に最初から仲良かったし。
「とりあえず、理由はわかったんだけどさ。あたしは、どうしたらいいんだね?」
「幸村さん達に毛利さんと何があったのか説明してないんでしょう?」
「うん、全く」
「なら話せばいいんじゃないですか?俺も不本意ですけど、話を聞いたら納得出来ましたし」
「不本意なんだ!?」
「えぇ、普通に嫌ですし」
わかちゃんのまさかの言葉に思わずわかちゃんの顔を見ると、フンッと顔を反らされてしまった。しかし、怒っていると言うよりはなんだかひねくれてる様な…不貞腐れてる様な感じだ。
まぁ、わかちゃんとはなんだかんだで会えば話すけど…最近は自分の事でいっぱいいっぱいで会う事も少なかったしなぁ。
だから正直、あたしもわかちゃんとゆっくり話せて嬉しかったりする。
(ふひひ、わかちゃんも嫉妬してるんだ?)
(…ぶっ飛ばしますよ)
(ちょ、目がマジじゃんか!ごめんて!)
(俺が嫉妬しちゃ悪いんですか?)
(いや、ちょ、可愛いなおい)
(・・・怒りますよ)
(既に怒ってるんじゃんか!)
(貴女がふらふらしてるからですよ)
(えっ!?なんの話!?)
(璃亜さんがバカだって話ですよ)
(ちょ、ひでぇし!意味がわからん!!)
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