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・・・うーん。
どうしたもんなかなぁ。
あの試合後、精市に軽く理由を話してからコートを出たんだけど…やっぱり機嫌悪そうだったなぁ。
あの態度からしてあたしがなんかしたのかな?うーん、でもならなんで練習に誘ってくれたんだ?
あぁ、マジで意味がわからん!
「・・こんなところで1人で何してるんですか?」
「へっ?」
「しかも汗掻いてるじゃないですか。バカなんですか?タオルも持たずに汗掻いたまま風に当たってるとか」
「わ、わかちゃっ…ぶふっ!」
「いいから汗を拭いて下さい。風邪引きますよ」
特に行く宛もなかったのでふらふらと歩きながら、色々と考えていたら不意に後ろから声を掛けられて振り向くと、そこにはうっすらと汗を滲ませたわかちゃんがいた。
しかもあたしを見るなり眉間に皺を寄せながら、ポケットからハンドタオルを出してあたしの顔に押し付けた。
確かに、試合が終わってすぐにコートから出てきちゃったからなぁ。タオルとか完全に忘れてたよね。むしろ、部屋に戻れば良いや的なノリだったからね、仕方ないね。
「それで、璃亜さんが1人でいるって事は何かあったんですか?」
「いや、別に何があったって訳じゃないけど」
「けど、何もなかったって訳でもないんでしょう?まだ自主練の時間ですし」
「まぁ、ちょっとね」
「立海の方達と喧嘩でもしたんですか?」
あ、そうか。わかちゃんに精市達が、どうして怒ってんのか聞けば良いのか。あたしじゃよくわかんないし。
それに前の合宿でじゅさとなんかあったかも聞けるし。とりあえず、部屋に行きたいと言うとじゃあ送りますよと言われて、素直にありがとうと頷いた。
そして部屋に向かいながら、今日の精市がイライラしている事と一応…じゅさと色々あった事を説明した。
「つまり、なんで幸村さん達がイライラしているのかがまるでわからないと?」
「いや、じゅさが関係してるのはなんとなくわかるんだけどさ。わかちゃんわかったの?」
「まぁ、普通にわかりましたけど」
「えっ、マジで!?」
「えぇ、むしろ俺も今そう思ってるんで」
「ファッ!?」
さすがに精市みたいにピリピリした感じはないけど、少し不機嫌そうに眉を寄せているわかちゃんに驚く。
え?まさかのわかちゃんまでイライラするレベルの事なの?さっきまでは普通だったのに!?
しかもそんなすぐにわかる事だったの?そうなるとあたしがバカなだけなのか、それともあたしにはわからない事なのか…うーん、更に意味がわからないぞ。
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