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そしてじゅさに連れられて適当に合宿場内を散歩してるんだけど、なんだかんだでみんな早起きなんだね。

遠目からランニングやらコートで打ってる姿が見えて、改めて感心する。

しかも、わざとなのかなんなのか…早朝練をしている人に全く会わないのが不思議である。それなりの人数がいるのに。



「ていうか、今更だけどじゅさもいつも早朝練してたんじゃないの?」

「ん?別にせんでもだんないで。俺は、夜にコート借りる事になっとるし」

「あぁ…昨日もそういえば夜に練習してたっぽかったね。てか、今更だけどプロならなんでここにいる訳?」

「たまたまやで。せやけど、ここって将来有望な連中の巣窟やん?せやから、海原祭の前にちっと顔出したんよ」

「ふーん?まぁ、なんでもいいけど」



まぁ、本当はコーチ等に顔見せに来たんやけど、合宿の話聞いておもろそうやからって修さんと残ったんやけどなぁ〜と笑うじゅさに更にふーんと相槌を打った。

つまり、元は帰る気だったんのか。どこに帰るかはわからないし、あたしが知ったところでどうにもならんからどうでもいいけどさ。

じゃあ、じゅさと修二さんがたまたま合宿場に顔を出してなかったら海原祭でバイバイって事になってた可能性もあったって事か。



「あんたって本当に神出鬼没だよね」

「ん?なんの話や?」

「べっつにー」

「んー、璃亜がおる場所にならいつでも現れんで?」

「なにそれウザい」

「ほんまに璃亜が俺に会いたいと思うてくれるんなら、いつでも来るで?」

「いや、無理でしょ」



昔みたいに簡単に会えなくなった事くらいあたしにだってわかるし。それに詳しくはわからないけど、プロなら余計に無駄な時間はないだろうし。むしろ、自由の時間すら無いに等しいんじゃないの。

そう考えたら、こうして一緒に呑気に散歩してるのも凄い事なんじゃないかと思う。

それに変に蟠りがなくなったせいか、前より遠い存在に感じるんだよね。ただ学校が違うとか距離が遠いとかじゃなくて、なんか存在が遠い。



「そない俺が遠く感じる?」

「…は?なにそれ」

「璃亜は、ほんまにわかりやすいわぁ。そない寂しそうな顔して、色々考えとったんやろ?」

「ちげぇし」

「大丈夫やて。俺は、昔となんも変わってへんから。な?」

「いや、だからちがっ…おい頭を撫でるな!話を聞け!」



あぁ、もうっ…だからこいつは嫌なんだよ。さすがに早苗とまでは言わないけど、なんでかあたしの思ってる事がわかるかの様に的確に突いて来やがる。

そんな事を思いながらじゅさを睨んでいると、ほなそろそろ朝食行くかとあたしの手を引いて歩き出した。

ちょ、これはダメだ。

本当に昔の様にこいつのペースに呑まれてるではないか。


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