昔に戻っただけ (1/4)


昨日の夜、あの後…なんだかんだでじゅさと仲直り(?)したあたしは、正直とても安心した。黙ってた事は、やっぱりまだ少し引っ掛かるけど…理由を話してくれたのは嬉しかったから。

だけど…



「あーもう!こんな朝からなんだし!!」

「?」

「不思議そうな顔すんな!」

「え?ただ迎え来ただけやんか」

「なんで迎えに来たし」

「一緒に朝飯食べたいから?」

「普通に答えんな!」



何故か、凄い早い時間(朝食時間前)に部屋に訪れたじゅさに寝起きで対応なうです。

しかも寝起きなん?なんて言いながらあたしの頭を撫でるじゅさは、何故か嬉しそうでふにゃりと笑った。

意味がわからず、眠い目を擦っていると不意に2つ隣…つまり早苗の部屋のドアが開いて早苗が顔を出した。



「どうかしたの?朝から騒がしいわね」

「お、羽川もおはよーさん」

「あら、毛利さんおはようございます。璃亜に用ですか?」

「おん。散歩でもして、その後に朝飯一緒にと思てん」

「ふふふ、そうだったんですか。璃亜を起こしに行く手間が省けました」



いやいやいや!早苗もなに呑気に挨拶をしてるんだね。確かに、挨拶は大事だけれども。しかも勝手に話が進んで行ってるではないか。

そして、とりあえず眠い。

まだ30分くらい寝れるし、バレないようにゆっくりとドアを閉めようとしたが…見事に足でロックされてた。



「二度寝は許さへんで?ほれ、上着貸したるさかい、行くでぇ」

「マジかよ〜」

「たまにはいいじゃない。それに朝日を浴びるのは、健康にいいんだから」

「ん〜、じゃあせめて着替えさせてよ。さすがにルームウェアで行くのは嫌だ」

「ほな、待っとるよ」

「へいへい。じゃあ待ってて」



確かに、朝日を浴びる散歩とか健康的だ。正直、まだ眠いし二度寝したいけど…別に寝不足って訳じゃないし、いいや。

そして散歩に行くだけならルームウェアでまだいいけど、そのまま朝食に行くとなると話は別なので、パパッと着替えてから部屋を出た。

もちろん、朝は昼間と比べるまでもなく寒いので重装備だ。それにしても、修二さんと遠野さんから貰ったニット帽とマフラーが大活躍である。

そして壁に寄り掛かりながら待っていたじゅさをマフラーに顔を埋めながらジト目で見上げた。



「さっむい…」

「そう言いつつ来るんやから、やっぱり璃亜は可愛いやっちゃなぁ」

「うっさい」

「ほれ、手」

「ポッケから出したくない」

「ならこれでええやん」

「うわ、手温か!」



やっぱり手足の先は、冷えるのが早くてポッケに入れたままじゅさを見上げてたら手を差し出されて、それを断ると無理矢理ポッケから手を出された。

だけど、すぐにあたしの手を握るとそのまま自分のポッケに手を突っ込んだ。

いや、確かに温かいけど…身長差的な意味で腕が辛いんだよなぁ。とか思ってたら行くでとそのまま歩き出した。


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