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璃亜は、俺が言うた意味がいまいちわかってへんらしく、眉間にシワを寄せながら険しい顔をして頭を傾げた。
「まぁ、深く考えんでええよ」
「あたしがマネージャーになってなかったら、どうしてた訳?」
「いや、元から海原祭ん時に璃亜を見付け出して、全部話す予定やったんやけど」
「そうだったんだ」
「まぁ、全国大会で璃亜がおるの見た時は正直驚いたわ。えらい泣いとるし、笑っとるしで」
「その話は、やめろ」
「せやけど、嬉しかったで。前より、普通に笑える様になったんやなって」
正直、幸村達が羨ましいと思うた。あの璃亜と一緒にテニスで喜び合えて、一緒に過ごせとる事が。
なのに、俺はあの笑顔どころか近くにいられない事が酷く悔しかった。
せやから、この合宿中だけでも璃亜と一緒におれたらなぁと思うてたんやけど…まぁ、見事に邪魔者ばっかりで全然一緒におれてへんけど。
「せやけど、無茶ばっかりしとるん許せへんなぁ。はっちゃれ過ぎや」
「なっ…!?」
「大体の事は、羽川から聞いとるで。肩と右腕…大怪我したんやろ?」
「ぬわっ…!け、怪我したのは確かだけど、大丈夫だし!まず、大怪我じゃないし!」
「傷痕、残ったて聞いとるで?」
「クッ…早苗め!どこまで話してるんだし!!」
「羽川は、ええ子やさかい俺に璃亜の事で秘め事はせーへんからなぁ」
まぁ、羽川にはそれなりに問い詰められたんやけどなぁ。別に隠す理由あらへんし…せやから、羽川にはほとんど話してもうたんやけど。
璃亜に話すか?て聞いたら、自分で話して下さい。って言われて、羽川もあん時から変わってへんのやなぁと思うたわ。
まぁ、それにしても…
ギャイギャイと騒いどる璃亜を無視して袖を捲るとうっすらと腕に切り傷の痕が残っとって、ソッと撫でる。
「ほんま嫌やわぁ…」
「はぁっ!?」
「痛かったやろ。どうせ、みんなには大丈夫やって言うて強がってたんやろし」
「それは…」
「璃亜は、色々と我慢し過ぎやで。前みたいに俺には素直に言うてええんに」
「…まぁ、確かに痛かったけど…後悔してないからいいの」
まぁ、せやろなぁ。璃亜が誰かの為に無茶すんのは、昔からやし。
それでも、傷痕が残っとる事は気にしとるんかスッと傷痕を隠すように袖を戻す璃亜の頭をわしゃわしゃと撫でた。
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