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あの時の璃亜やったら、絶対にテニス部と関わらんと思うてたんやけどなぁ。

せやけど、璃亜の性格を考えたら普通にテニス部とか関係なしにモテそうやしなぁ。



「なぁ、璃亜がマネージャーになった理由教えてくれへん?」

「クッソ長くなるんだけど」

「だんないで。話してや」

「てか、あんたがいなくなった理由ってプロになるからって事でいいの?」

「ん、せやで」

「ふーん」



じゃあ今はどこにいるの?とか聞かない辺りが璃亜らしいわ。まぁ、留学とかで転々としとったし…それに教えたところで多分、まともに会えへんしな。

とりあえず、璃亜が話してくれるみたいやからベンチに座るか?聞くと素直に頷いたんで、ゆっくりと璃亜の手を引いてベンチに座った。

・・・・・。

うーん。さっきから月光さんの上着がめっちゃ気になるんやけど、ニット帽とマフラーもめっちゃ気になる。璃亜にしては、重装備やんけ。



「璃亜、その上着貸してくれへん?」

「は?なんで」

「ええからええから」

「…意味わかんねぇ。ん、はい」

「ほな、璃亜はこっちな」

「なんで交換したし。意味がマジでわからん」



月光さんの事だから別に他意はないんやろうけど、やっぱり気になるから璃亜には俺の上着を着てもらった。

まぁ、月光さん程は身長あらへんけどサイズはそこまで変わらんし。月光さんのは、俺が着ちゃお。んで、俺が月光さんに返せばええし。

そんな事を思っとったら璃亜が不思議そうな顔をして頭を傾げたから、気にせんで話してや〜と言うとぽつりぽつりと話始めた。


◇◆◇◆◇


…ほーん。
なんちゅーか、相変わらず璃亜は運が良いんだか悪いんだかようわからんなぁ。まぁ、俺からしたらめっちゃ都合悪いんやけど。



「テニス、楽しいか?」

「まぁ…うん」

「ん、せやったらええねん」

「ねぇ、なんで急にプロになろうとした訳?」

「ん〜、璃亜に認めて欲しかったんよ」

「は?」

「璃亜、テニス部嫌いやったやん?それにキャーキャー騒がれてるだけで、どうせ努力してないんだろ?みたいな感じやったやん。せやから、プロになったら認めてくれへんかなぁって」



それに実際、俺は部活サボり気味やったし。そんな俺がテニス部でレギュラーって言うても、璃亜はきっと嫌悪感バリバリでどうでもいいって言うやろうし。

璃亜とおる時も多かったし、普通に俺が部活サボっとるんも知ってたからな。なんの部活までは言ってへんし秘密にしとったけど。

せやけど、部活はサボり気味でもテニスは純粋に好きやった。せやから、バスケを出来なくなったって聞いた時にせやったら俺がテニスを教えたろうって思った。

まぁ、だからって璃亜の為だけにプロになろうと思った訳ちゃうけど。


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