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んんっ〜、なかなか眠くなって来たな。

あの後、立海メンバーと騒がしく夕飯を食べて…食休みを挟んでから早苗と大浴場で長風呂を楽しんだ結果。

今、とっても眠いです。

早苗は、柳くんのデータ整理を手伝ってるのであたしは、自分の部屋でゴロゴロとしている訳ですが…あっ!そういえば、修二さんと遠野さんに貰ったもの見てねぇや。

ガバッと起き上がり、ベッドの脇に置いておいた袋をガサガサと漁る。

そして出て来たのは、まさかの真っ白なポンポン付きニット帽とピンク地でグレーのチェック柄のマフラーであった。

しかもクソ高そう。

え?これは、さすがに貰うのを躊躇うんだけど。むしろ、なんかノリで受け取っちゃった感じだからすげぇテンパってます。

が、とりあえず身に付けてみる。

・・・あの2人は、センス有り過ぎかよ。ちなみに多分、ポンポン付きニット帽が修二さんでマフラーは遠野さんだと思う。

そして鏡の前でマジマジとニット帽とマフラーを身に付けた自分の姿を眺めていたら、不意にドアをノックされて反射的に返事をしてしまった。

その結果、普通にドアを開けられてしまい訪問者とあたしの間に気まずい空気が流れた。



「・・・・・」
「・・・・・」

「邪魔をした様だな」

「いやぁ!!ち、違うッス!別に1人ファッションショーとかしてないッスから!」

「そうか」

「そ、そうッス!それでなんかあったんですか?」



まさかの訪問者は、越知さんでした。いや、マジでまさか過ぎてビビる。そして普通に恥ずかしいっていうね。

とりあえず、ニット帽を脱ぎながら越知さんの元へ向かうが、相変わらず背が高くて首が辛いッス。



「今、時間はあるか?」

「?まぁ、別に暇ッスけど」

「ならば、付いて来い」

「え?あ、はい」

「外に行く。だから、なんだ…その帽子を被った方がいいぞ」



ク、クッソ!恥ずかしい!!
まさかの気を遣われてしまったではないか!いや、まぁ…言われたからには被りますけどね!?

それにしても外に行くって…時間的に外のコート使用禁止だった気がするんだけど。いや、まぁ…黒部コーチ達に許可取れば別に使えるんだけどさ。

ん?アレ?じゃあなんだ?越知さんは、あたしを散歩にでも誘ってくれたのか?いや、しかし…越知さんがあたしを誘う理由が思い浮かばん。



「上着を持って来ていない様だが、寒くはないか」

「え、はい。大丈夫ッスよ!」

「お前は、体を冷やしてはダメだと聞いている。万が一の為に上着を貸そう」

「いや、悪いからいいッスよ!それに越知さんが冷えちゃいますよ!」

「さして問題はない」



そしてあたしの言葉を華麗にスルーして上着を差し出してくる越知さんに断るのも失礼だと思い、素直に上着を受け取って羽織らせて貰った。

うん、クッソぶかぶかである。なんだ、実はコートなのか。なら仕方ないね(違う)。


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