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そして修二さんのカフェオレが来て、一息吐くとゆっくりとカップを置いてあたしを見た。



「まぁ、強いて言うたら気分転換させたろ思うて、連れて来たんやけどな」

「気分転換?」

「なんや自分、今日めっちゃ調子悪いらしいやんか。入江達から聞いたで」

「え、いや…調子が悪いって言うか…」

「お前が毛利の野郎にイライラしてんのはわかってんだよ。今朝の練習もまともに息が合わなくて散々だったって聞いたぜ?」



・・・あぁ、そういう事か。

確かに、今朝は1年生ボコる試合の後…毛利さんと一緒にシンクロの練習をした。

その時に何故か、毛利さんが越知さんと入江さんと鬼さんも一緒にって交代してもらいながら軽い打ち合いをしたんだよね。

ちなみにあたしはずっと毛利さんとペアだった訳だけど…まぁ、酷い有り様だった。ていうか、普通にダブルスの練習にすらならなかったレベルで酷かった。

もうなんか、バラバラ過ぎてどっちも取らなかったりどっちも取りに行って結局見逃したりと…もう酷過ぎて、相手をしてくれてた越知さん達に申し訳なくなったよね。



「ちゅーか、アレやろ?毛利がアホみたいな態度取っとるんがムカつくんやろ」

「いや、まぁ…」

「つーか、毛利に言いてぇ事があんならテメェも黙ってねぇで言えばいいだろォが」

「・・・・」

「そない簡単な話やないんやろ。せやけど、まぁ〜なんや気晴らしになるんやったら俺等に言うてみ」



正直、遠野さんの言う通りだ。
あの人が自分から話したがらないなら、あたしが聞けばいい話だ。だけど文化祭の日に話をはぐらかされてた訳だし…話したくないって事だと思う。

急に立海からいなくなった理由も、あのキスの訳もなにもあたしに話してくれない。

もしあの日に適当でもいいから理由を話してくれれば、それで無理矢理納得したかもしれないのに…変にはぐらかされたせいであたしには、言えない事なんだなって思った。

だから、あたしの中で毛利さんはただのサボり仲間で過去の人って割り切ってたつもりだった。



「まぁ、その前に毛利の様子が変になった理由教えたろか?」

「なんですか?」

「竜次と篤京に俺と毛利がプロって事聞いて、その事を毛利に言うたやろ?その後から毛利の様子が変になったんちゃう?」

「…そう、かもしれないけど。じゃあなに?あたしがプロって知ったから、あんな態度になった訳?」

「まぁ、そうやなぁ」



本気で意味がわからない。

あたしがプロって知ったらマズい事でもある訳?それとも、それすらもあたしに知られたくないって事?


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